第66話 真人だって男の子です。
あの後申し訳ないと思いつつも友紀さんの裸を脳内HDDから再生して自家発電してしまいまいました。
風呂場で。
だってこの椅子にさっきまで座っていたかと思うと……
思い出してしまうんだよもん。
本当にさっきは賢者でいられたのにな。
あ、いかん。また……
これでも一応自称健全男子、男子という年齢ではないだろうとツッコミが入りそうだけど。
まだ性欲というものはある。
きっと人のピークは過ぎているかもしれないけど。
かっこつけかも知れないけど、最高の初体験をと思っているので一時の感情や勢いに任せてというわけにはいかない。
わがままかもしれないし、重いかもしれない。
ボディーソープの滑らかな滑りがより欲情を……浴場で……誰が上手いこと言えと言った。
二度目の小野兄ィを済ませると落ち着きをみせた。
長いしもしかするとバレてるかもなぁなんて考えていると、ふと浴室の扉が開いた。
音に気付き扉を見ると……
「な、な、な。ななななー。ななななー。」
ジョイマン・高木になってしまった。
そこには「3-4金子」と書かれたゼッケンの縫い付けてあるスクール水着(旧・紺スク)を身に纏った友紀さんがいた。
このやりとり、本日二度目です。
先ほどは全裸、今度はスク水。
なんでしょう、何かお前ら早くヤる事ヤっちまえという外力を感じる。
そ、そんな誘惑に負けないんだからねっ
なんて思ってると顔を真っ赤にしながら友紀さんが近付いてきて……
背中にピトッと何か布切れが当たった感触が伝わってきた。
いやそれもうスク水の感触じゃんと自分にツッコミを入れたい。
「な、なにをぉ」
「あ、あの……せ、背中でも流そうかと。」
そ、それでなぜスク水。まぁ全裸でだと刺激強いし理性とか放送コードとか色々やばいけど。
というか、脳内思考までどもっちゃってるし。
背中にくっついてるという事は、多分視線落とすだけで麻衣さんもとい、マイサン、マイSON、つまりおち〇ん〇ん見られるってことで。
いや、むしろ既に見られてるのでは?
恥ずかしいのはこっちもですけどーと。
さっき賢者云々言ってたのに。
男性苦手なはずの友紀さんなのに。
お酒飲んでないのに。
半年後にと言ったし納得してもらったはずなのに。
この状況は……
「あ、あの。友紀さん?」
「ひゃ、ひゃいっ。」
このどもりはどちらだろうか。
息子を見てしまったからなのか、身体をくっつけた事によるものなのか、はたまたその両方なのか。
何この懲役または罰金みたいなフレーズは。
「当たってます。それに息遣いも……」
なんかエロスとまでは言えなかったけど。
「しょ、しょうですね。あ、当ててるんです。ないけど当ててたりします。」
自虐も入ってるし、妙にそそられる言葉だけど、大胆になりすぎじゃないですかね?
流石に身体を使って洗いにきたというわけではないだろうけど、ずっと背中で鼓動を感じるし2度も発電したのにまた……
自分のが大きいのか小さいのか判断に困るけど、見られると恥ずかしい。
いや、見られてると判断するには早計だけど。
色々葛藤すると友紀さんの抜く盛り……じゃない、温もりが離れていく。
いかん、だめだ。自分の思考までエロくなってくる。
「ボディーソープとタオルを貸してください。」
友紀さんから声を掛けられる。
「あ、ハイ。」
俺の事の方が緊張しいな感じだ。
タオルとボディーソープを渡すときにちらりと友紀さんの姿が目に焼き付いた。
腕を上げた友紀さんの脇が……つるつるの脇とラインが見えてなんかもうごちそうさま。
脇フェチじゃないのだけれど。
ぽしゅぽしゅとノズルのヘッドを押す音が聞こえる。
ごしゅごしゅとタオルを擦る音が聞こえる。
それがまたエロい。見えない効果音だけというのがとてもエロい。
これは若い人にはきっと伝わらないだろうな。
童貞とはいえ30になったから分かる境地だろうな。
「そ、それじゃぁ失礼しますね。」
背中にタオルが当たる感触がする。
なんだかとてもいけないことをしている気がする。(from ジャン・P・ポル〇レフ)
ごしごしと背中、肩、尻の上あたりまでをごしごしし終わると、今度は腕を擦り始める。
鏡に映る友紀さんの姿が扇情的で、股間の膨張が見られていないかと冷や冷やだ。
だってタオル一個しかないから隠せないんだよ。
せめて友紀さんが見ていないことを祈ろう。
主よ、私は罪を犯しました。
愛する人の全裸を見て、抱き着き、プロポーズと初体験をいつしたいかと伝えました。
そして今度はスク水の彼女に背中を腕を洗ってもらってます。
心頭滅却すれば精神で抑えようとしても私の息子兼娘は反応を止めてくれません。
今も賢明に洗ってくれてる彼女に間違って欲望を向けてしまわないかと冷や冷やしております。
あのクソヤローと股間を比べられてないかと冷や冷やしております。
いやそれ見られてるの前提でしょって神様は残酷です。
修学旅行の時(中学時代)は然程気にしていなかったので他人との違いはよくわかりません。
せいぜい毛が生えたとかボーボーだとかその程度の記憶しかございません。
そういえば友紀さんはつるつるでした。
神様、大人になってつるつるってあるのでしょうか。
本人は元々薄いと言っておりましたし、レイヤーですからそういった処理は一般よりは気にしているのかもしれません。
それでもつるつるってあるのでしょうか。
こんな事思っていいのかわかりませんが、小学生の時プールの授業で着替えていた女子の一本筋と変わりませんでした。
あぁ、主よ。
罪深きわたくしめに……
「……さん。……とさん。真人さん。」
「はっ俺は一体何を。」
「終わりましたよ。さ、次はまえ……」
「あ、いや。前は流石に……」
そう言ったところで友紀さんもトランス状態だったのか其処から帰ってきたようで。
「あ、あぁ。そそ、そうですよね。で、でも……将来は洗いっこしたいです。」
なんだか純潔の予約をしてから色々予約事項が増えてきた気がする。
きっとこの
終わり……だよね?
友紀さんはどこか名残惜しそうではあったがこちらを見ずに浴室を出て行った。
当然3度目の自家発電をした事は言うまでもない。
「ふい~」
湯船に浸かりながら先ほどまでの一連を思い出す。
どうしてあそこまで大胆になったのか。
苦手なはずの男性だったはずなのに。
自分だけは特別大丈夫であり、結婚を前提とはいえ恋人であるとしても。
プールの時を鑑みても克服は完全とは言えないまでもしてきているのではないかと思いつつも。
奴が現れ不安と恐怖に押しつぶされそうになったからといっても。
ここまで大胆になれるものなのだろうか。
ただ単に自分がヘタレなだけなのではないだろうか。
色々な考えが浮かんでは消え浮かんでは消え、ただ迷走するのみ。
その結果が自家発電では締まるものも締まらない。
友紀さんは友紀さんで払拭しようと懸命なのだろうけど。
刺激が強すぎます。
流石に風呂場から出たらバスタオル用意して待ってる……なんてことはないよな。
息子兼娘が落ち着いたところで風呂を出る。
幸いと言っていいのかわからないけど、流石にバスタオルを用意して待ってるなんてことはなかった。
その日は寝付くまでに時間を要したことは仕方がないのかもしれない。
今日だけで良いから同じ布団で寝たいと友紀さんが言い出したから。
過去に結果的に同じ布団でという事はあったけど、あれはいつの間にか侵入されていただじけであって、最初から同じ布団の中にいたわけではない。
最初から同じ布団で寝るという、もうお前これ据え膳ってやつじゃないの?という状況なのだから、寝付けなくても仕方がない。
でも、その葛藤とは裏腹に友紀さんはしばらくして寝息を立てていた。
演技ではないだろう。
軽くほっぺをぷにっとしても何の反応もなかったのだから。
意識を手放したのはかなり時間が経ってたからだ。
決してアレが勃っていたとかではない。
本当だぞ。
嘘ではないからな。
そう言い訳をしながら眠りについた……ようだ。
――――――――――――――――――――――――――――
後書きです。
何この回。
いくら途中まで書いていたのがラヴィちゃん壊れてなくなったからとはいえ。
原型なくない?
もうちょっとほのぼの就寝だったはず。
友紀さんサイドの心境がないと、痴女化したの?って感じです。
ところで友紀さんは真人さんの……を見たのか見てないのか。
謂わば其処が問題だ。
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