第47話 招かれざる再会・1

 風呂場から出ると男子も女子もバスタオル巻いて、腰に手を当てコーヒー牛乳を一気飲み。

 あ、他に客がいないからって二人とも胸にタオル巻かなくても良いんかい。


 「「「「「「ぷはー、風呂上りはやっぱコーヒー牛乳だね。」」」」」」


 流石にMAXコーヒーは置いていない。


 

☆☆☆


 帰りの車の割り振りは、五木、みゅいみゅい、白米と、真人、友紀、三依の2台構成となった。

 途中でみゅいみゅいさんと白米さんは途中で降りるので人数の都合こうなったのである。

 2人が降りた後、三依は旦那のところへ。


 「いつも運転ありがとうございます。」

 そんな友紀さんの一言が妙にありがたかったし運転頑張れる気がする。

 男はいつだって現金なのだ。


 上野を出発し4号線を真っ直ぐ。

 天草家は途中で道分かれるが、他のメンツはほぼ4号(旧4号線)でまかり通るのだ。

 加須はね、大栗線だからね。


 「帰りに東鷲宮で百観音温泉も寄ろうと三依が言うんだけど。」

 五木さんがぼそっと言いに来た。

 断る必要もないし良いですよと返事をする。

 越谷・春日部組は家を通り越すし、きちんと睡眠を取りたいし普通に帰るという。

 

 「いやぁ相変わらず目立ちますね、まこPさんの痛車。」

 あぁ、本当は2台車あるんだけど、件の痛車と通常使用用の乗用車と。

 維持費もバカにならないし、他の人には勿体ないと言われてるけど。


 「自分の会社の名前を全面に押し出してる会社の車や、暴走族のわけわからん旗や改造具合も充分痛車の部類だと思うよ?」

 確かに…否定は出来ないと幾何かの人は感じてくれる事であろう。

 無関係・無興味の人からすれば……


 「それを言ったらまぁ…どうなんだろう。自己アピール欲高過ぎと考えればそうなのかな?」

 五木さん納得してくれそうです。


 そういった所で車に乗り込み駐車場を出る。

 五木さんを先頭に俺は後を続いていく感じ。

 一応ナビは入れてあるし、何度か二人の家に送迎したこともあるので、もし逸れても何となく分かる。


 2車線ある内はスムーズに進む。千間台超えると1車線なので大変だけど。

 どちらの車も、運転手以外は夢の世界に旅立っている。

 まぁ寝たからといって咎めるわけではないけど。

 助手席に友紀さん、後部座席に真理恵さん。

 もう最近は三依さんでも良いかなとか思い始めてはいるけど。


 てっきり後部座席から色々茶々というかヤジというかそういったものがバンバン飛んでくると思ったけど。

 赤信号で助手席と後部座席をミラー越しに見ると、気持ち良さそうに寝ている。

 普段のおちょくりのお礼に、額に肉欲とか書いてやろうかと思ったくらいだ。

 危ないからやらないけど。


 竹ノ塚警察署を超えた。戦闘民族足立区民のテリトリーをもうすぐで抜ける。

 「おめーどこ中?」は荒川の西新井・竹ノ塚側の事だ。


 実際絡まれたりはしてないけどね。イメージと噂と別件のニュースが多くてそっちのイメージを持たれてしまうのです。 

 ガラが悪いのはどこにでもいるって話。

 他より多いってだけの話。

 

 なんて考えていると草加に突入、ついに東京脱出、ようこそ埼玉へ。

 埼玉に入っただけで微妙に帰ってきた感があるのはなぜだろうか。


 南東部と北東部だと車で40分~50分違うのに。


 2人が眠ってるから特に何のイベントもなく越谷にあるみゅいみゅい宅へ。


 近くにアークヒルというゲームセンターがある。つまりは駅の東口側で近くに元荒川が流れている。


 川沿いに行けば越谷レイクタウンがある。


 2000年前後まではただの土の山だったのにね。なんか工事してるなぁと思ったらイオンが出来ましたと。


 旧4号線からは越谷駅を挟んで反対側となる。

 

 注:ついでに言うと旧4沿いのドヂャースの道路反対側に母校がある。


 「お疲れ様でしたー。良いモノ色々見させてもらったよ~。」

 みゅいみゅいさんは自宅アパートに向かっていった。


 続いて春日部に向かって出発。

 4号線と2号線のぶつかる近辺、ロジャースのある付近に白米さん宅はある。

 駅とは歩いて15分程度の場所である。


 出発する直前で自販機で買ったMAXコーヒーを飲む。

 この絶妙な甘さが睡魔と闘ってくれる。

 

 春日部までも順調に進む。


 順調故に嫌な予感も過ぎる。

 仕事の時もそうだった。信号に引っかからずに済むと、何かトラブルがあり残業で帰れなかったり帰りが遅くなったりなるといったような。

 思えば信号は片手で足りるくらいしか引っかかっていない。

 普通に考えて、おかしいくらいスムーズだ。


 その予感は白米さんを降ろし、コンビニで他の人の水分補給とトイレに寄った時に当たる。

 トイレを済まし、外で皆を待っている時に其れは現れた。 


 偶然とはいえ、あぁ偶然とはいえ再会してしまった。

 

 「あ、越谷…?」

 高校時代俺に嘘告をし、あまつさえレイプ魔の冤罪までなすり付けた、友紀さんへの告白話の中でクソ女と称したクソ女に。


――――――――――――――――――――――――――――――


 あ、やっぱりクソ女は現在進行形の表記。 

 クソ女の実家この辺です。

 別に白米さんの親類でも近所というわけではありません。


 再会したけど長引かせる気はありません。


 春日部で越谷とかもうややこしい名前すんな。

 あ、自分のせいか。

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