文豪とアルケミストアニメ感想と考察

飛鳥井 作太

『藪の中』感想など

 ついに今週、新芥川さんチームとの対立になってしまいそうですね。

 つらい。

 あまりの辛さに、今更感想をつらつら書くページを作ってしまいました。

 たぶん、今までの話も溜めていた萌えやら燃えやらを書き殴るかと思いますが、とにかく先週分の考察や感想をば。


 総集編と見せかけて、藪の中の構図という演出は良かったなあと思います。ちょっと物足りなかったけど。


 しかし、それよりも一番気になったのは。


 やっぱり芥川さん(?)に冷たい寛さんです。


 その前から「『そいつ』から離れろ」の科白で、心臓に来たのですが。


 ……このアニメの何が地獄かって、視聴者(元から特務司書で、史実もまあまあそれなりに知っていて、特に仲良しエピソードなどはばっちり履修している)に、


『芥川さんに冷たい寛さん』


 をガツンとぶつけて来るところだなと。

 思い描いていた温かな再会(武者さんと志賀さんみたいな…無頼派みたいな…)を飛び越えて、敵認識とは…。

 前回の太宰サンではないですが、


「…え?」


 です。完璧に。


 さて、『藪の中』。

 元から居た人たちがみんな「今までの芥川さん」に対して、


「仲間だ!」


 というシーンは嬉しかったです。

 ここでの秋声さんが、とても秋声さんだなあと思いました。

 前回や前々回の、「明らかに侵蝕者感のある芥川さん」を見ても、「げっ」というような反応ではなく、「ちょっと大丈夫?」という普通の心配の態度を示した秋声さん。

 反射の心配というのでしょうか。

 単に「大変そうだ!」と思って反射で動いた、という普通の反応が、「周りの意見に左右されない」シュウセイズムだなあと思ったのです。

 このことは、記念館さんのブログでも仰っていましたね。嬉しかったなー。

 ああいう状況では、もしかしたらちょっと異常なのかも知れない。

 けれど、誰かにとっては救いになる。そういう『普通』さが、秋声さんには常にある気がして好きです。


 話を戻しまして。


 みんなが「元からいた芥川さん」を擁護するシーンは、確かに胸が熱くなるシーンです。

 ずっと見て来た我々視聴者ともシンクロするし…。

 あと、「元からいた芥川さん」は、確かに侵蝕者化もしてしまっているけれど、がんばって潜書して戦っていたのも本当なのですよね。

 それを考えると、やっぱり「偽物っていうのは、どうなの?」という心情になる。

 加えて、これは友人が言っていたのですが、


「全員、生前の印象と照らし合わせてというより、ここに来た『芥川さん』の功績や、何より『自分達と過ごして来た』という主観でしか喋ってないから、ぶっちゃけ説得力皆無なのよね」


 と。

 言われてみれば、そう。

 何となれば、事情をよく知らない私たち視聴者が思うことだけしか述べられていないというか。

 視聴者からしたら、共感できて嬉しいのですけども。


 その点で行くと、


「話を聞いて、より確信をした。あいつは偽物だ」


 と断言した寛さんの方に軍配が上がる気もします。

 正味、寛さんに断言された瞬間、「間違っているのは、太宰サンたちなのでは?」「そして、あの芥川さんを好きだと思ってしまっている私たちなのでは?」と思っちゃいましたし。

 あの感覚は、何というか、TRPG動画(クトゥルフ系の)を見ていて「周りが狂っていると思って逃げ惑っていた自分こそが、実は一番狂った存在でした」と突きつけられたときに近い感覚…。

 何にも信用出来ねぇ、と思いました。


 しかし、友人は、

「でも、寛さんも実は同じなんだよね。『別の空間でずっと過ごしていたからわかる』って…それも実は、同じように主観なのよね」

 とも言っていて、それも確かにな…と。

 頭が未だぐるぐるしております。

 この友人は競馬ファンで、そちらからの寛さんファンなのですが(だから史実寄りになるのかも)


「だから、自分はこの寛さんにも違和感を持ってしまう。寛さんみたいな合理的な人が、主観だけで断じている。寛さんも、何か騙されていても可笑しくない。来週、もう少し詳しく出ないかな?」


 と悩んでいたので、そちらに賭け…たくはないのですが(友人も言っていましたが、寛さんが騙されているという時点で辛いし、新しい芥川さんが偽物でも辛い)、もっと何か救いのある感じだったら…。


 あとは、Twitterを眺めていたら、


「合理的な寛さんらしい、無表情で冷静に話を聞いて回る姿。冷たく感じるかも知れないし、元の芥川さんをあんなにあっさり切り捨てているように見えるけれど、違う。

 元の芥川さんと太宰さんに話を聞くとき、彼は腕を組んでいる。

 心理的に、腕を組むのは自分を守っていることになる。

 寛さんは、別に平気じゃない。

 偽物と言われていても、『芥川龍之介』を突き放すことに対して寛さんはたぶん平気じゃないよ」


 というご意見(要約してます)が流れて来て、


「それならまだ救い(いえ、寛さんにとって何の救いでもないのですが)があるかも…」


 と思ったりもしました。


 つまり、自分はたぶん、「今まで必死で、侵蝕者化しつつもがんばって本を守って来た『芥川龍之介』を、きっぱりと切り捨てる親友『菊池寛』」という状況に、とても地獄を感じているのだと思います。

 この親友同士が、思いのほか親友であることに対してとても強い希望を持っていたのだなあ、と吃驚しています。

 でも、親友同士がこうなるのは、本当に地獄よりも地獄的…。

 だって、芥川さんはがんばってたんだ…この芥川さんも、がんばってたんだよ…。

 

 今週、どうなるのだろう…。

 胃が痛い…。


 『恩讐の彼方に』というのがまた…。

 あの話のラストのように、


 あ、『恩讐の彼方に』自体のネタバレになってしまうので、まだご覧になってない方は、ここから先は非推奨です。

 ↓

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 あの『恩讐の彼方に』のラストのように、敵同士であった二人は手を取り合うのでしょうか。

 一番いいと思うのは、W芥川さんの融合なのですが…。

 そんな都合の良いことが起こるかしら。


 ところで、作者=主人公ですが、何となく、今の状況だと元からいた芥川さんの方が主人公っぽいのですよね…。

 もしかして、今回みたいに潜書しないのでしょうか。

 でも潜書するっぽい感じのカットだったような…?


 そして文豪グルメは、やはりうどんで寛さんでしょうか…私、気になります!


 あと二時間…(TV大阪)

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