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◇◇◇
「叡智……招雷ノ遊迷」
破壊されていく脳内に残された最後の大技を私は放った。巨大な雷撃をポートツリーに落とした私は、ジャギルス諸共この地上から焼滅する覚悟をしていた。この身に代えて人間を守る事が私の生まれた意味だったから。
鉄平がくれた首飾り……いつの間にかどこかに行っちゃったな。
雷光に包まれ粉々に砕けていく機械兵と自分の体。痛みはなく目の前がさらさらと白くなっていくような気分だった。
もう……思い残すことはない。
外の世界に来られた。鉄平にだいすきって言えた。これ以上は何も望まない……。
そんな時ジャギルスと目が合った。お互いに体は失われ今まさに消滅しようとしていた。その刹那彼はある言葉を私に送った。
「…………」
それが本当に彼の言葉だったのか分からない。それともただの幻聴だったのかも知れない。だけどその言葉がとっても嬉しかった。
「紗也、いつか必ず迎えに行く」
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