墓場へ/Wait
オレは歩いた
足が棒になるほどに
真っ暗な森の中を 果てしなく広がる平原を
焼けつくような砂漠の砂の上を
思い描いていた出口を探して
多くの友に出会った
多くの敵と闘った
たくさんの別れと敗北を経験した
自分を捨てきれず 信じきれず
まるでどこにでもいる その他大勢と自分が重なった
疲れた日は 宿に泊まり
のどが渇けば コップの水を飲み干した
平凡な日々は 一度は終わりを告げたが
すぐにまた平凡との戦いへと戻った
全てを憎み 全てを破壊したいと心から望んだ
何よりも自分を忌み嫌って生きた
それでもどこかで そんな自分を愛していた
まるでそれしか選択肢が他にないかのように
だからこそ
でなければここまで生きてはこれなかっただろう
オレはただの臆病者か
それとも生き残った英雄か
恐らくはその両方だろう
しかしそれもここまでだ ここにそう宣言するのだから
もうじき幕は下りる
それまでの間 もう少しの間
オレは自分を信じたふりをして歩き続けるだろう
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