第8話 メザスモノ
「……」
「……」
「……」
────甲冑を着た武士みたいな
すぐにシャワーを浴び、そのあと食事。
私はじゃじゃ麵で、
あ、ジュマは私から生命エネルギーの供給を受けているんで、食べる必要がないッス。
美味しく楽しく頂いて、今はぼんやりテレビを見てるッス。
オレンジ色の竜が描かれたTシャツに黒のハーフパンツの私と並んでベッドに座る、白い寝巻き姿の文姫さん。
文姫さんは遅くなったということで、お泊りになったッス。
夜だけの空間である
「昨日に比べて感染者が減ったようね。このまま不安と一緒に終息しれくれると良いのだけれど……」
ニュースで今日の新ウィルスの感染者が前日比で減少している報道を見て、文姫さんが呟くように言ったッス。
「そうッスね」
あっさりしたかんじで答える私。
「────ところで彩、あなたこの先どうするの?」
「この先ッスか、とにかく
「でも世界夜で生きていくならそんなに必要ないでしょう」
「確かにそうッスね。でも私、いづれは現実世界に戻るつもりなんで、そのためには金銭としての神貨ではなく、ポイントとしての神貨が必要なんッス」
「ポイント?」
「ええ。一億神貨で
私がそう言うと、文姫さん、すごい意外に感じたようッスね。
神様から報酬として与えられ、神様と売買できる神貨。
その数字が大きければ大きいほど、神様に貢献し、信頼されていることになり、お墨付きが得られるってわけッス。
そんで母さんと弟の
「世界夜に来る乙女は訳ありばかり。彩、あなただってそう。力に目覚めたがゆえに一部の人間たちに追われ、都市神のはからいで世界夜に来たのよね」
「そのとおりッス。
「探理官……。その、探理官の名前、分かる?」
「分かるッスよ。
「!」
「二年前、魔導事件の時に身分証を提示してたッスからね」
名前を出した途端、文姫さんが驚いた顔をしたッスね。
何か心当たりがあるみたいッス。
「彩、聞いて。もしかしたら力になれるかも知れないわ」
真剣な表情で言う文姫さん。
「聞かせてほしいッスね」
私も身を乗り出して聞く体勢になったッス。
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