第19話 魔王様!あいかわらずの瞑想ぶりです。
魔王様はまた、下界へ降りられた。
甘い水の効果は、勇者殺しと恐れられ、絶望を感じ、勇者などいらぬ、魔王様のお許しを請うこと、それこそが必要だと、盆踊りを始めた。
ムチッコロリータたちは、それでも、きれい好きなので、糞尿を片付け、またある者は、ギルドの砂糖をおいしいものに変えようと、実験を始める。デブの始末は、ムチッコたちが、干物にしようといって、ギルドに通い、かつての四柱天の皮をむしって、できる限り最上の珍味を用意した。
以前のハーレムパーティーで両脇に座っていたムチッコどもも、体を磨き、舞を覚え、魔王様が再び来ることを望んで、花火まで打ち上げている。
下山の山中で、盆踊りの音を聞くなり、魔王様は驚いた。感動した。
「そうか、そんなにイタかったのか! わしも少しばかり早とちりだったな。」
魔王様は、やはり、誰が言うわけでもなく魔王様なのであったが、ついに万人に認められるほどになったか。思えば、ノッポやチビという悪口さえ言われたことのない魔王様である。好意にしろ、悪意にしろ、言葉で動かせられるものは何もなかった。そんな心にジワる魔王様であった。
よし、今行くぞ~! 魔王様は、魔王様であることも忘れて、駆け下りていった。
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