第3話 僅かな違和感
俺の店は、ライブバーとは
出演者はサークル時代の後輩の
そんな感じだったので、最初のうちはまだ良かったが、
金曜の夜や週末はまだサラリーマンなどの社会人がちらほら入ってマシだったが、平日は全くダメだった。
そのうち出演者の方も、バンドの方が
そんな状態だったので、開店から一年が過ぎた頃には父の保険金がどんどん減っていき、週に4日は昼間にバイトをし、夜に自分の店で働くという状況だった。
しかし、経済状況を
そんな状態で2年目を半年が過ぎた頃、商店街の連合会の知り合いのアドバイスで、
そうして、数少ない店の客で当時まだ大学三年生だった
俺が店に貼っていたバイト募集の貼り紙を見た美樹が、やりたい、と言い出したのだ。
美樹が最初に俺の店に来たきっかけは、学生どうしの付き合いでライブの客としてで、それからいつの間にか、たまにふらっと一人で来るようになっていた。
容姿に関してはいたって普通としか言いようがない感じだったが、どこか
後から知ったのだが、幼い頃に親に捨てられ
だが、かといって、それが接客に支障が出るというほどではなかったため、俺は美樹を雇うことにした。
× × ×
黒いワンピースの女は、店内をチラリと見回してから、ふと目を閉じた。
俺と木村が
女は、木村とひとつ席を空けたスツールの前で立ち止まると俺を見た。
近くで見ると、その表情にはまだ幼さが見て取れた。
女は、目の前のスツールを指でさした。
「すみません。ここよろしいでしょうか?」
まだ十代のようにも見えるその女は、その表情とは裏腹に大人びた
俺が
「いや、だからまだ店開けてないって……」
そう言いかけた時だった。
突然、スーツケースが倒れて音をたてた。
木村がビクッとして
俺はその瞬間を目撃したのだが、明らかにスーツケースが
木村が
やはり床が
ここ半年くらいだろうか、たまにこういったことが起きていた。
ただ、
最初はちょっとした店の物が、なんか移動しているかな……、という程度だったのだが、最近では明らかに
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