第17話Ⅰ-17 この国の情報(リッグスから)

■レイジーの町

俺達はキャンピングカーでサリナがシャワーを浴びた後にレイジーの町へ戻って来た。

16時だったので宿へ行って部屋を一部屋とってきた。

お値段は銅貨3枚でエドゥインと同じ値段だ。

2ベッドの部屋だが、部屋に入るとサリナの緊張が伝わってくる。


「ここは、寝る時に戻ってくるだけ。何もしないから安心してよ。ここなら一人で寝ても大丈夫でしょ?」


「・・・一人は怖いです・・・」


「じゃあ、ベッドで一緒に寝るの?」


とりあえず言ってみた。


「・・・はい。一緒が良いです」


-マジかーい!


「じゃあ、戻ってきたら一緒のベッドで寝ようか」


頷くサリナを見て、やはり異世界に美少女が必要だと俺は考え直していた。


宿を出た俺達がギルド本部に着くと、リッグス達が無事にたどり着いていた。

俺を見て駆け寄ってくる。


「アンタ達! 本当に助かったぜ!」


サリナの治療効果はおそるべしだった、リッグスの顔に傷跡は残っているものの、カサブタになっていたところも引き攣った皮膚に変わっていた。


「無事に着いたなら何よりです。ギルドのホールにいますから、落ち着いたら声を掛けてください」


「わかった! 今夜は俺のおごりだから何でも食ってくれ!」


-そういわれても、食べたいものがここには無い。


30分程待っていると、リッグスは馬車に乗っていた男と二人でギルドホールに戻って来た。

この時間のホールは酔っ払いがかなり増えてきている。

今日は臨時収入があった組合員も多いのだろう。


「またせたな、こちらは俺を雇ってくれている。ランディ様だ」


「ランディです、今日はありがとうございました」


「どういたしまして、私はサトル、こっちはサリナです。ランディさんをバーンまで送るのですか?」


「ああ、ランディ様はバーンの新しい代官になる人なんだ。それで俺達が護衛を引き受けたんだが・・・、ちょっと甘く見ていた。昼間は大丈夫だと思っていたがこれほど魔獣が多いとは・・・」


-代官? 偉い人ってことだな。


「そうですか、私は遠い国から船でやってきたので、この国のことがわかりません。昼間お願いしたように、色々教えて欲しいんです」


「遠い国から? 船で?・・・まあ良いや、何でも聞いてくれ」


「だったら・・・」


俺はリッグスから根掘り葉掘り聞き出した。

結構長い時間が掛かったが、ダイジェスト版だと・・・


○この辺りの政治・国

・この国がある大陸(ランド)はドリーミアと言う。

・ドリーミアには国が4つあって、それぞれ王様が居る。

・「水の国」は農業が盛んで人の出入りも自由な国

・「風の国」は商業が盛んで水の国の東にある。

・「炎の国」は魔法を使える人が多く奴隷制度がある。 水の国の西にある。

・「森の国」は閉鎖的で今は国境を閉ざしている。水の国の北にある。

・200年ほど前は国はなく、教会が全てを支配?差配していた。

・今の国は教会の一部が国に移行(?)したもの。


-サリナは炎の国に売られるところだったのか?


○魔法と武術について

・火の魔法は火の玉が出せる魔法で魔法力の大きさにより出せる場所や大きさが違う。

・火が出せる魔法でも、火が飛んでいく訳では無い。(どう言う意味だろう?)

・水や風の魔法も同じ。

・魔法力は才能と努力に左右される。(ある意味誰でも使えるらしい)

・昔は魔法でもっといろいろ出来たらしい。

・強い魔法を使うためには「聖教石」と言う石が必要だが、極めて数が少ない。

・伝説では魔法道具が作れる「魔法石」もあるが、実在するか不明。

・人は「魔法剣」が使えるレベルで無いと魔獣とは戦えない。

・森の国に居るエルフ達は人と違う魔法が使えるが、詳しいことは謎。


-人の魔法はあまり強くないのか?

-魔法も魔法剣も見てみないとわからないな・・・

-エルフ! 居るんだ! これは会わないと、


○バーンのギルドについて

・バーンのギルドは桁違いに大きい。

・大きなチームが3つあって組合員の殆どはいずれかに所属している。

・チーム毎に縄張りがある。チーム同士のいざこざもある。

・戦っているのは主に獣人、人では倒せないモンスターが多い。

・・・など等。


-ギルドの件はバーンへ着いてから確認しよう。


「リッグスさんも魔法剣が使えるんですか?」


「使えるよ、俺は炎を出すことができる」


「後で見せてもらえませんか?」


「良いよ、こっちも一つ聞きたいことがあるんだが、あのブラックティーガーを倒したのはお前だよな? 胸の下に大きな穴がが開いてたが、あれはどうやったんっだ?」


-さて、どう答えるべきか・・・


「あれは、魔法の一種ですね。この国には無いみたいですけど、私は魔法具を使って魔法を使っています」


「魔法具? どんなものなんだ?」


「それは教えることが出来ませんが、遠くの獣を倒すことができる魔法ですね」


「・・・秘密ってことか。その魔法は何回でも使えるのか?」


「はい、少し準備は必要ですが、何度でも使えますよ」


-弾は無限にあるからね。


「だったら、一つ頼みがある。俺と一緒にバーンまでランディ様を護衛してもらえないか?」


-やっぱりそう来たか。


ランディはバーンのお偉いさん。

一緒に行くと後々メリットはあるかもしれないが馬車で二日掛かる。

道中は遅すぎて、かったるいだろう・・・。


「そうですね、じゃあ魔法剣を見せてもらってから考えます」


答えを、一旦先送りにしてみる。


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