同人アダルトゲームレビュー

藤島白兎

『アリサクエスト_恥辱に塗れてもがんばります』をレビュー

 お話としては魔法使い見習いの主人公アリサの村から宝玉五つが盗まれた。

 アリサは見習いから一人前の魔法使いの昇格試験としてそれを取り返しに行ってくるように村長に言われる。


 始まりとしては解りやすく短編にしやすい設定だ。

 少々露出が高い服装で旅をする事になるが、村の伝統衣装でお母さんも着たことがあるらしい。

 村の人達も可笑しい所は無く、暖かくアリサの旅立ちを祝福。

 あれよあれよと拠点の町へとやってきたアリサ。


 まずは寝床確保の為に宿屋へ。

 気前のいいおかみさんとの何気ない会話、まだ可笑しいところはない。

 俺は意気揚々と町の探索を開始したその時事件が起きた。


 テキトーに町の人に話かけたら……


「げへへ……そんな衣装着て誘ってるのか?」


 ……ん?

 ここはスラムではないよな?

 まあ、いい探索を続けよう。


「お前いい乳してんじゃねーか、いくらだ?」


 ……んん!?

 明らかにちょっと可笑しいぞ!

 片っ端からモブに話しかけた。

 どいつもこいつもセクハラ発言しかしない!

 俺は一旦ゲームを最初から始めた。

 プレイヤーに与えられている情報が間違ってないかの確認だ。

 

 ※これらのセリフは作中では言ってませんが近しい事をモブが言ってます。


 結果、旅立ちまでに村長達は道中気を付けてとしかいってない。

 つまり拠点となる町が頭がピンク色の町だとプレイヤーもアリサも知らないわけだ。

 俺は怒りと共に心に火が灯った、この作品はレビューするしかねぇなと!

 ゲームから一度離れて何故俺が怒り狂ったのかを説明しよう。

 

 まずは説明不足。

 村長が「これからお前が向かう町は女には過酷かもしれん」的に性的被害に会う可能性を示してくれればよかった。

 事前情報無しにいきなりそんなの見せられたら常識が出てくる。

 現に俺が拠点の町を捜索している時は。


『アリサはどんなひどい目にあうのか……ぐへへ』


 よりも。


『ぜってー主人公守ってやる、それが出来ないのであれば俺がこの作品の二次創作作るしかねーな』と正義の刃に満ちていた。


 次に町の価値観。

 理解が追いつかないし、常識を吹き飛ばす程のインパクトが無かった。

 常識の有る世界のはずなのに何でこの町の人間は頭ピンク色しか居ないんだ?

 と、俺はなってしまった。


 

 次は頭ピンク色が多すぎる問題。

 荒れた町ならなんも言わんがどう見ても普通の町だ。

 頭のイカれた連中の町という説明があれば何も言わないが、そんな説明は無かったので言う。


 非常識の人間が多いと『非常識の価値』が無くなる。

 俺はこの作品を『性欲を発散させる作品』には見れなかった。

 となればあちらこちらに非常識人が沢山居て、心のエクスカリバーを振るいたくなる。

 

 結果として非常識人が多くて常識人が少ないから常識人の価値が格段に上がった。

 故にメインシナリオの非常識人の価値が無くなった。

 だって町中に非常識人が沢山居るんだもの『普通の町』でね。


 ではメインシナリオに入る。

 五つ宝玉は拠点の町に有るんだがそれはいい、その町で売りさばかれたらしいので。

 今所有している者達がアリサにアダルトな要求か普通の仕事のどちらかを要求、これもいい。

 俺は嬉しくも後々残念な事があったのだよ。


 騎士団長が『オークに剣を盗まれたから取り返してくれれば、君の話を信じよう』と言ったのだ。

 ……む? か、会話が普通だ!

 そして『だが剣を材料に君に不利益な交渉をするかもしれない、気を付けるんだ』

 ……は? お前本当にこの町に住んでる? なんでまともなの? 大丈夫?

 ※このセリフは実際口から出てしまった。


 やれエロイ儀式に参加しろだの裸になれだのエロい格好して店手伝えだの奴隷になれだの。


 俺は久しぶりにまともな人と会話出来て嬉しかったぜ。

 ま、剣を返した後は『俺のゴールドフィンガーをくらってみるか』とかほざいた。

 ああ、やっぱりお前はこの町の住民だわと思った。


 エンディングとアダルトシーンについては自分で確かめてくれ。

 おっと購入は18歳以上(高校生不可)の大人で頼むぜ。


 

 まとめ

 プレイヤーとアリサに拠点の町は危険だと何処かで誰かに言わせていればよかった。

 戦闘はサクサクでレベルも上げやすく逃走も確実、RPG慣れしてる人なら楽勝だろう。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る