第6話 アップルパイ
これまた季節はずれですが、アップルパイ。
実は信州にも出張でよく行くんです。信州といえば
ただでさえ道中出会った人や地元の方々に「山ですか?」と訊かれる65リッターザック。それがパンパンになるほど宿泊道具と仕事道具が入っているのに……。
「まだ荷物増やすんかいッ⁈」
というツッコミの声が
が、そんなの気にしません!
だって、美味しいもの作って土産にしたいし、自分も食べたいんだもん。
ということで、まずは紅玉を煮てジャムにしちゃいましょう。
【紅玉ジャム】
紅玉 あるだけ
砂糖 紅玉の2割~4割くらい
レモン汁 酸味を足したいなら適量
ブランデー 少々
いやはや、我ながらなんとも適当な分量表記。でもこれ以外の書き方ができないのですよ……。
あ、砂糖は多いほうが日持ちがいいです。私は林檎の酸味を優先したいので、砂糖2割で作ることが多いですね。紅玉には23%がベストバランスだと勝手に思っています。
紅玉は元々酸味の強い林檎なので、砂糖が少なければレモン汁は不要です。が、日持ちを優先する場合は甘くなりがちなので、少し加えたほうがいいかな。途中で味見して加減してください。
そうそう、味見するときの注意点。熱いままだと火傷もしますし、甘味を強く感じてしまいます。なので、スプーンなどで少量取って、必ず少し冷ましてから口に入れてくださいませね。
では作りましょ。
まずは紅玉の皮をむいて、くし切りにします。四等分して芯を切り取るあれですね。それをさらに半分に切って八等分にします。
ジャムをピンク色に染めたいなら、皮は捨てずにとっておいてくださいね。
むいた紅玉と砂糖を鍋の中に。色づけしたい場合は、皮も一緒に入れちゃいます。
我が家では酸味重視で砂糖2割と少なめですが、日持ち優先なら3~4割入れたほうがいいです。
これもできれば
軽く混ぜたら鍋に蓋をして、浸透圧で水気が出るまでしばらく放置。最低でも1~2時間。急ぎでない限り、うちでは一晩放置しています。
鍋の底に水気がたまってきたら、火にかけます。焦げないように木ベラでかき混ぜるのですが、紅玉の大きな塊を残したい場合はあまりガシガシ混ぜず、優しく混ぜてください。小さくしたい場合は木ベラでザクザク切りながら混ぜます。
私は大小適度に入り混じったものが好み。その状態のジャムをヨーグルトに混ぜ込むと、ときどき出てくる大きな塊の林檎のサクッとした歯触りと爽やかな風味が――くぅーっ、たまらんッ!
加熱しながらかき混ぜていると、白っぽかった林檎に透明感が出てきます。
皮を入れていない場合は、透明感のある黄色から褐色へと色が変化していきます。
かき混ぜながら煮詰めていって、好みの固さより少し緩めくらいでブランデーを少量加えて混ぜます。アルコールを飛ばしたら、火からおろします。色で言うと褐色になる直前~薄い褐色が仕上がりです。
色づけに皮を入れている場合、少しずつピンク色に染まっていきます。必ず鮮やかな「ほんのりピンク」のうちに皮を取り除いてくださいね。そうしないと、仕上がりが「赤みがかった黒っぽい褐色」になりますから……。
ブランデーの代わりに、カルヴァドス(林檎の蒸留酒)があれば最高! ブランデーだと、どうしても
今度、信州で見つけたホワイトブランデーを使ってみようかな。
出来上がったジャムは、ある程度冷まして容器に入れます。空きビンを煮沸消毒して入れるもよし、ジッパー袋に入れて空気を抜くもよし。
ジャムを大量に作って長く楽しみたいなら、後者がオススメです。冷蔵保存だと2週間から1ヶ月がせいぜいですが、しっかり冷まして袋のまま冷凍すれば、かなりの期間楽しめますよ~。解凍しなければ1年はいける。
それじゃ、こいつをパイにしていきましょう!
【アップルパイ】
紅玉ジャム 適量
冷凍パイシート 作りたいだけ
溶き卵 少々
パイ生地の作り方、ワクワク♪ と思っていた方、ごめんなさい!
そこまでやると「軽く」は作れないので、ここでは市販の冷凍パイシートに頼りましょう。ご希望があれば、パイ生地も後日追記しますのでご勘弁を。
お土産に持っていく前提なので、食べやすいように丸ではなくて長方形にしましょうか。
市販の冷凍パイシートを、紅玉ジャムを包む30~60分前に冷凍庫から出します。暑い時期なら10分くらいでも充分かな。
ガチガチに凍っていると包丁で切るのが大変ですし、ジャムを包むにも一苦労。かといって、完全解凍していると柔らか過ぎて切りづらく、包むときにも生地が伸びてやりづらい……。
ということで、曲げてもヒビが入らないくらいの解凍状況がベストです。柔らかくなりすぎちゃったら冷蔵庫で冷やしつつ、様子を見ながらやっていきましょう。
横長の長方形のパイシートをまな板に置き、ど真ん中で二等分。正方形に近い形状にします。
それぞれの真ん中あたりに、紅玉ジャムを少量乗せて生地を半分に折ります。
乗せるジャムの量は、多くてもティースプーンに山盛り一杯といったところ。欲張って乗せると、生地を閉じるときにも飛び出しますし、焼いたとき生地に切腹されてジャムが
折り曲げた生地の開いた三辺を、大きめフォークの背でぎゅっと押してしっかり閉じていきます。生地が切れない程度にきっちり押してくださいね。
生地に穴のあいていないタイプの場合は、そのフォークでつついていくつかの穴をあけてください。
生地の上にハケでサッと溶き卵を塗り、200度に余熱したオーブンで15~30分。こんがりキツネ色になったら焼き上がりです。
卵をたっぷり塗ると、そこだけ真っ黒に焦げるのでご注意を。薄めにサッと、ね。
熱々サクサクを火傷しながら召し上がるもよし、冷ましてからサクッとしっとりをじっくり楽しむもよし。
季節によりますが、常温で2~3日は保存OKです。今の季節……梅雨から夏は、翌日までに食べちゃうことをオススメします。
市販品のように卵の代わりにあんずジャムを塗ったり、ジャムにシナモンやレーズンを加えたりしていない、ザ・シンプル。
ま、楽しんでくださいな。
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