別離
感情が堰を切ったように溢れて
前が見えなくなる
今はただ
やるべきことをやるだけで
それ以外は
何もやる気が起きない
砂浜に打ち上げられた魚のようだ
何かを掴む為になりふり構わず
打ち込んできた
猜疑心と激突しながら
選択したこと
やってきたことに後悔はないけれど
襲い掛かるこの寂寥感は一体何だろう
出逢いは別れの始まり
最初から判っている筈だったのに
終わりではなく始まり
頭では理解している筈なのに
責務完徹後は
もっと清々しい気分になれると思っていたのに
何故こうも
喪失感だけが心に宿るのか
無意識のうちに
貴方に
あまりにも入り込みすぎてしまっていたのかもしれない
貴方の存在感が
思っていた以上に私の心を占めていた
他の色々なものを喪っても
貴方がいたから
何とか頑張って来れた
貴方がいたから
ここまで来れた
貴方がいたから
今の私が在る
泣き喚き
のたうち回りながら
醜態をさらしながら限界を越え
気が狂う程の荒波まで乗り越えた
貴方さえも疑い信じられなくなって暴走しても
貴方はそんな私を受け止めてくれた
可能な限り
でも
今度は貴方までも喪うことになるとは
出逢いは
寸分早くもなく
寸分遅れることもなく
絶妙なタイミングで訪れるものと話に聴く
貴方と私はここまでだと
最初から定められたものだったのだろうか
貴方と私の時間は
もう終わってしまうのか
引き裂かれてしまった時計はもう限られていて
長くは動いていられない
その内動きを止めてしまう
永遠に
また
私は誰かを見つけ出逢う為に
暫く立ち止まっていたこの場所から
歩み出さねばならないのだろうか
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