第45話

 呆気なく終わってしまった戦いに気が抜けている中、アナウンスが表示された。


『エリアボス〈見習いシャーマン〉の討伐に成功しました。チェムノーニ地方に自由に進むことができるようになりました』


「ははーん。さては、場所間違えたな?」

 だいぶ前から気づいていたが、来る場所を間違えていたらしい。

 始まりの町エリアには2種類のエリアボスがおり、目的のボスがいるのは反対側の門番だったのである。

「いやー。ラフがいなかったら確実に負けてたな。それとも命中率100%になってる弓だったら当たったのかなあ? 状態異常の対策も考えないとな」

 ずばり、状態異常にかかると怖いですよ、ということを教えるためのボスであったので、まんまと運営の思惑に乗せられているのだが、先に進もうとしたところで追加のアナウンスが表示された。

「ん?」


『スキル〈心眼〉を取得しました』

『遠距離物理攻撃による不意打ちを100%ガードできる。また、ガードできない攻撃の場合は100%回避できる』

『常時ガード率が15%上がる』

『常時回避率が15%上がる』

『モンスターによる先制攻撃回避を取得しました』

『暗闇無効を取得しました』

【取得条件/単独で、かつ、同格以上のエリアボスもしくはクエストボスとの初回戦闘時、暗闇の状態異常にかかったまま、近接物理攻撃で撃破】


「んー、うん。……なんか、ごめん」

 さほど詳しくない者でも、このスキルが強力なことはわかるだろう。

 取得条件を満たしているのか? と、自分でも思うが、システム上マリーもラフもトワネも、パーティメンバーとはみなされていないことがこれではっきりとした。


 ハルマはそのままチェムノーニ地方には進まず、本来の目的であったエリアボスも倒しておこうと移動を始める。

 そうやって来た道を引き返しながら再び平原に入ると、そのまま突き進む。一度、転移オーブでダークッタンに戻っても良かったのだが、荒野と平原のルートを変えることで採取も狙ってのことだった。

「お! 成長した」


『スキル〈発見Ⅱ〉が〈発見Ⅲ〉に成長しました』

『D~Fランク採取ポイントで発見できるアイテムが少し増える』

『Cランクまでの採取ポイントを発見できる』

『レベル3の罠を見つけることができる』

『D~Fランクモンスターの気配を見つけることができる』

【取得条件/規定値以上のDEXの時、アイテムを定められた数量採取する】


「正直、さっきの〈心眼〉より、こっちの方がうれしいんだよなー」

 これにより、新たな採取ポイントを増やせるかもしれないのだ。ただ、始まりの町エリアだと、Eランクの採取ポイントですらあまり見かけなかったため、やはり活動エリアを広げる必要はありそうだった。

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