事件の解決

 リスタが何かを言ってくる。俺は必死に攻撃を避けながら耳を傾ける。

「悠馬、今更じゃがあれを今のわしらで倒すのは無理じゃ。術者を探そう」

「そうか。これも魔法の一種であるなら術者を倒せば収まるっていう算段か」

「そういうことじゃ!」

 魔法というのは必ずそれを行使した術者がいる。このゴエティアがいるという状況が魔法の行使による結果であるとリスタは断言したという訳だ。

 つまりゴエティア本人を倒す必要はなく、術者を倒せばいい。

 俺は術者を探すべくリスタにゴエティアの相手をお願いする。

「リスタこいつの相手できるか?」

「任せろ!ワシを誰だと思っておる?」

 空元気かもしれないが自信満々にそう言い切られると任せるしかない。



「あら?次は妖精さんがお相手をしてくれるの?」

「ああわし自らお菓子の相手をしたやろう、小童」

 そんな会話を尻目に俺は術者を探すべく駆け出した。

 魔法があの区画で発動したとしても術者は離れているという可能性もある。

 するとゴエティアのいた区画を少し進んだ先の通路で女の子の咽び泣く声が聞こえた。

 俺は術者を探さないといけないがその声が気になりそちらの方へと足を向けた。



「ごめんなさい....ごめんなさい....」

 その女の子はずっと謝っていた。顔見た俺はハッとした。彼女が生徒会長だと気づいたから。

「あのちょっといいですか?」

「ぐす....なんですか?」

「貴女は何かを召喚する術式を起動しましたか?」

 俺は誤魔化しても仕方ないのでストーレートに質問する。

「はい....研究員の方に強制され無理やり魔導書が眠っているという術式を起動させられました」

「そうですか....。ではすいません」

 俺はそういい彼女の首筋に手を当て気絶させた。

『ゴエティアが魔導書の形に戻ったぞ』

 そうリスタから報告を貰う。一応一件落着らしい。納得のいかないところしかないが。



「んん....ここは?」

「目が覚めたかの?ここは学院じゃ」

「私そうだあの男の子が助けてくれて....」

「お主いい加減猫をかぶるのをやめたらどうじゃ?」

「猫....ですか?そんなもの被ってはないですよ」

「お主の目は正気の沙汰をした人間の目ではないぞ。悠馬は誤魔化せてもわしは誤魔化せないぞ」

「あら、そうですか。いつから気づいたらしたんですか?」

「始めからじゃよ。お前を悠馬の持ってきた写真を見てからじゃ」

「この事を彼に言いました?」

「いいや、今回はわしにも悠馬の周りにも被害はなかったから言わないでおいてやろう。今回の事件の黒幕さんや」

「貴女、面白い考察をしますね。またお会いできる日を楽しみにしてますよ、悠馬君の精霊さん」

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