第58話~秋の朝


 秋の朝


 まだ星がきらめき


 空気はどこまでも


 透明だった


 星を見上げ


 両手にそっと息を吐く


 寒さに身を震わせながら


 この澄んだ冷気が


 身体中を洗うような気がして


 いつまでも窓辺に立っていた


 清められたからだと心は


 純白になり


 今はじめて


 愛しいと思う

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