04.初依頼達成
翌朝、魔素は体の中から抜けきっているようで、ちょっとだるい。
湯を浴びて、身支度を整えて、洗濯物を受付に渡して、食堂に向かう。
モーニングルーティーン。
さて、今日の朝ごはんは何だろうか。
お、焼き魚じゃないですか。この前食べたのと同じ秋刀魚に似た魚だ。ご飯と醤油と大根おろしが欲しくなるなぁ。
今回もおかわりをして、たらふく食べての出発となった。
ギルドに向かう道中、その辺の店が何を扱ってるか、みてまわろうと思い立つ。
1軒目
魔術系の道具を扱う店だ。杖とローブ、中型から小型までの各種魔石、スペルブックという呪文が書かれた本を取り扱っていた。杖についた魔石に合わせてスペルブックを買わなければいけないらしく、魔術師はお金がかかるようだ。
2軒目
ここは道具屋だな。解毒薬とかポーションとか、煙玉や、生活魔法用各種小魔石などを扱っている。この辺は、今度市場にいってルルドの露店を探して買おうと思う。値段だけ覚えておく。
次の店を選り好みしていたら、ギルドについてしまった。とりあえず、依頼ボードのところにいって、常設依頼と書かれている薬草採取依頼の紙をみた。まだ貼られてる。今日気がついたが常設って書いてあった。つまり、年中募集されてる依頼ってことか。よし、受付に行こう。
受付に着くと、いつものお姉さんがいた。
「おはようございます、タケシさん。依頼を受けますか?」
「おはようございます。はい。薬草採取の依頼を受けたいのですが」
「わかりました、手続きいたしますのでお待ちください。薬草についてご存知ない場合は、買取カウンターにいって実物を見せてもらうといいですよ。」
あぁ、このお姉さんめっちゃいい人だな。
「ありがとうございます」
「はい、手続き終了です。では、お気をつけて」
「では、いってきます」
そして、俺は初めての依頼に出発した。
途中で、買取カウンターに行き忘れてることに気づき、急いで戻って実物を見せてもらった。
草原到着。
魔素が体に染み渡る。
そして、薬草っぽい草を探す。ない。
もうちょっと別の場所を探す。ない。
街から結構離れて探すが、ない。腰が痛くなってきた。
やったことはないが、ダメ元で探知魔法を使ってみたが、反応がない。そもそも、探知できるのかも怪しい。
しばらく探し歩いて、やっと、それっぽい草がまとまって生えているところを見つけた。
「これだな」
買取カウンターで見せてもらったのと同じ草だ。これをいくつか抜いて行く。根も必要らしいので、優しく抜き取る。
全部は取らずに、いくつか残して、抜いて行く。
よし、意外と早く終わりそうだ。そして、念の為、探知魔法をつかってみた。
「お、この薬草をイメージして探知魔法使うと、それっぽい場所がわかるな」
成功した。これで作業が捗る。
しばらく探知魔法を駆使して、薬草を採取する。依頼達成数が50本だったので、もうすぐ達成だ。
何度目かの探知魔法で、生物の反応を捉える。どうやら、意識したつもりはないが生物探知も一緒に行なっていたようだ。
探知した方を見ると、緑色の狼が群でいた。こちらに気がついているようで徐々に近づいてきていた。
最前列の狼に、ガイさんのようにダッシュしてつっこんでみた。こちらから急接近したため驚いたようで、あたふたしているところを、勢いに乗った剣で薙ぎ払って4体をまとめて葬る。横から飛びかかってきた大きめの狼を手で払い倒し剣で刺して行った。
どうやら横から飛びかかってきた狼が、群のボスだったようで残りの狼は逃げ出していった。
全部で5匹の狼を狩った。とりあえず魔法で血抜きして、丸ごとリュックにしまう。
薬草も取れたし帰ろう。
何事もなくギルドについた。
いつもの受付のお姉さんに、依頼達成の報告は買取カウンターの横ですよと教えてもらい、依頼報告受付に行く。
数人の列ができていたが、すぐに俺の番がやってきた。
依頼報告受付で冒険者証と薬草を提出する。買取カウンターの方に薬草が送られていき、その後、品質も状態も良品だったようで、問題なく報酬が支払われた。
「初めての依頼達成おめでとうございます」
と、急に言われてちょっと照れ臭かった。
そのあとに、横の買取カウンターにいって、魔法のリュックから狼5体を出して、買取を依頼した。
出した時、カウンターのおじさんに「魔法のリュックか。お前商人でもやってたのか?」と言われた。商人の知人にもらったということにした。
買取金額は、魔石込みで合計2銀貨となった。ボス狼の魔石と毛皮に良い値段がついた。ちなみに、名前はグラスウルフというらしい。ソロで狩ったと教えると、Fランクなのにすごいなと、おじさんは驚いていた。
常設依頼が出てるはずだから依頼達成受付に行って報告しておけと、おじさんが教えてくれた。
言われた通り報告すると、依頼報告受付が騒然となったが、ちゃんと依頼達成となり報酬がでた。
結構な額もらったが、これを繰り返せば冒険者ちょろいな。
よし、今日はもうやめだ。酒飲んで遅めの昼飯をくうか。
そして、俺は、ギルドの食堂に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます