第3話 家族がいる家へ

 ダッ ビュー ダッ ビューン 


 追い風の勢いのままに走っている。50m7秒台ぐらいの速さを体感していた。超気持ちいいぜ。しかし思いの外スピードが出ている感じがする、大人になったらここまで早く走るのは出来ない。

 


 ダッ  ダッ  ダッ グシャグシャ ダッ


 『グ?グギャ?!』「あっ!」


 子ブンと目が合う。こちらは仲間になりたそうに見てみる。


 こん棒を振り上げる、果たして結果は…


  ブーン スッ

ピョーン


 どうやらダメだったようだ。攻撃されるが、リーチが短く威嚇に近い感じで攻撃したのか空振りだった。そして、ダッシュに近い状態なら当然すぐ止まれない上に敵だ。


   GAAAAA

 ゴス         


 「うおっ、めっちゃ飛ぶ。」


 片足で、一気に飛び上がり頭を踏み台に、飛び越える。


 ギャギャゴーー!!!


 踏みつぶした声が他のやつの存在を教えてくれたぜ、にしても運動能力が高いな動くのが楽しくて仕方なく、止まらずにこのまま走り抜けた。




 走って、さっきのモンスターを撒く事に成功し、まあそこまで追ってきてる動きしてなかったけどな。


 …歩きながら体力を回復させつつ、森で薬草などを採取する。手あたり次第見つけたら取っているので30分ほど歩くと川がある草原に出るがさっきと違う所は…




 見晴らしが良く、遠くには麦の畑があり、夕方だったのですごく幻想的な光景だった。どっかのサントボックスの影mod入れたゲームの麦畑を想像してもらったら分かる。品種は分からないがかなりの麦の生産をしてるようだ。水田が無い所を見るに米はなさそうだ。


 パンとかビールが主流かね~。異世界だとエールだっけ、お酒に詳しい作品見た事ないや。浅く広くって感じだしな。


 少し高い所から全体を見渡したい。

 山が多いから畑も小さいが、ここは俺が見る限りかなり広いと思った。登りやすそうな木を探す。


 あそこの木に登りたいな。


 ガシッ ヒッ ストン


 登りやすそうな木に登ると、遠くが良く見える。自分の正面には集落と麦の見えてその奥には大きな山がある。左右は奥はなだらかな森が続いている。後ろは森だけど、一応見えたんだが、山脈がある。今乗ってる木から見えるわけだからかなり高い山脈だと思ってくれて構わない。


 「上手な絵描きさんが描いた風景画みたいだな。もうちょっと見ていたいが、急いで家に帰らないと真っ暗で何も見なくなる。」


 途中で街道を見つけ、歩いていると遠くから自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。


 『アルニィイ……アルにぃ~』


 かなり遠くから誰かが呼んできた。その方向を見ると、どうやらリーズの声だった。


 『おかえりー、森の中どうだったの?』ダキッ


 抱き付いてきた。


 「うおっと、ただいま。」ポンポン


 あんまり、息荒くない。結構距離あったけど子供の体力やっぱすごいな。大人でもちょっと引くよな。まあ、小学校の2時限目終わった後の、ドッチボールの全力感と一体感あったな~。


『お父さん、お母さんも心配してた!おやつの時間でも一緒に食べてるのに外見てたりしてた。』

 「そっか…なら早く帰らないとな。」

『うん、どっちが家に着くのか早いのか勝負しよ。…どん』


 タッタッタ

      ダッタッタッタ


 軽い足音で急に走り出すリーズ、勝とうと思ったのかフライングある競走は始まった。


『うーんやっぱり早いよ。アルにぃ、今日面白い事あった?』

 「そうだなぁ。黒い犬がボロボロで倒れてたり、見た事もないくらい白く大きい狼にあったよ。すごく毛並みが整ってて、賢い狼にあったよ。運が良かったわ。」


 今日の出来事を、子ブンと戦った事を除いて話していった。ちなみに途中で失速したのでリーズにペースを合わすように走る?競歩?…

 途中、話のタネが無くなり変な行動に出る。


 グイスタッ グイスタッ グイスタッ グイスタッ


 『あははっ!!何その、走り方?』

「子ブンがいて…こんな走りしてたんだよ。」

 『子ブン?って何?』

「あっいや、そういう人がいたんだよ。」

 『……!』ジトー


 奇行種のような走りをしてみて話題繋ぎしようとしたら、わざとやったが良いが傍から見るとバカである事に気付き、兄としてのプライドで誤魔化し方がミスったー。

 まっ、笑ってくれたからいいか。その後の行動こそ、大切だ。


 必殺、話題変え…


「こういう山菜取ったりしたな。」ヒョイ

 『この野菜、前にお母さんがすっぱいのにつけてて、お父さんがお母さんの目を盗んで、食べたら顔が面白かった。こんなのだった。』


(-_______-)

 

 あのお父さんが、イメージ湧かんよ。





話題逸らしで何とかなったし。そんなこんなしてると家に着いた。


 「フフッ、『アハハッ 面白いだろ」でしょ。』


 『「ただいまー」』


 息ぴったりと言わんばかりに合う。



『あら、おかえりなさい。アル、ケガはないかしら。』ペタペタ

 「木の枝とかの擦り傷とかぐらいだよ。あれ、お父さんはどこにいる?大丈夫だよ。別に…」ペタペタ


心配そうな顔しながら言う、腕とか触ってくる様子を見てくるお母さん。

 リビングを見渡すと端っこで正座している、お父さんの姿だった。


 「というかしつこいよ。どうしたの、お父さんそんなところで。」ペタ

『本当に大丈夫そうね。お父さんはほっといていいわよ。さて、夜ご飯の準備と配膳するの手伝って』

 「『はーい』」

『なら俺も…』

 『ダメよ。まさか、武器持ちゴブリンがいるなんて聞いてないわ。最低でも防具も着せないであなたの代わりにアルをまさか森の奥の開拓村に偵察に行かせたのは、良くないわよね。そう、これは罰よ。まさか行った後にそれを言うなんてねぇ?…ちょっと嫌な目に合わないとすぐに繰り返しちゃうわ。』


 まあ、ちょいお父さん、尻引かれてるからいつもの事だな。


 お母さんが晩御飯の準備中だったので家族全員で仲良く、作る事になった。なお、

お父さんは夕飯の食器洗いを引き受けて、許してもらったぽい。お母さんに、許してあげてとお願いしたらそうなった。


 もうすぐ料理の配膳が始まる前にトイレに行った。

その後、戻ると満面の笑みで…俺を見てくるお母さん?リーズもよく分かってない顔してる。何話してたんだろ。とりあえずお腹空いたから手伝わないと… 


『「『『いただきます。』』」』

 

 みんなで一斉に言うとご飯を食べ始める。ちょっと経った後、こんな会話が流れる。


 『さっき、リーズから聞いたけどゴブリンと戦闘があったのかしら。』

「えっ、何の事…?ゴブリンと戦ってないよ。」ちょい目逸らし

 『ふーん、私が渡した薬草を使って、怪我した黒い犬にほとんど使ったのよね。』

「そうだよ。薬草と包帯巻き巻きしたけど。」

 『……そう、嘘ついてるなら早めに言ってね。弱ってる生き物を森の魔物が襲わない事ないのかしら。』


黒いオーラががが…

 これは、お父さんの二の舞になると思い。



「ごめんなさい。」

 『そう、何が?』

「えっと…嘘ついてごめんなさい。」

 『はぁ、しょうがないわね。ご飯食べ終わってから何があったのか話してみなさい?』


 というわけで、ご飯を食べ終わり、お父さんが食器を洗いに行った。


「 黒い犬が子ブンに拉致?豚の逆さ吊りにされてるのを見て、助けたいと思って3匹の子ブンと戦闘になって…」

 『待って、子ブンってゴブリンの子供の事よね。』

「うん、そうだよ。俺よりも小さかったしね。」

 『んーなるほど、分かったわ。続けて…』

「不意打ちを仕掛けて倒したら、黒い犬の治療したら治すのに夢中で子ブン不意打ち食らったと思ったら、一瞬で子ブンが真っ二つになって直ぐに姿を現したのが、白くて大きい狼が出てきてって感じ…ふぁああ~」

 『うんうん、そうねぇ。さすがに眠そうだし。もういいわ、最後に一つだけ質問に答えたら寝ていいわよ。』

「何?」

 『その、ゴブリン……じゃなくて子ブンの死体はどうなったの?それに目の前で真っ二つになったのよね。』

「消滅したし、臓物等も出てきてなかったし血しぶきもなかったし。あんまり生物って感じがしなかったけど…。」

 『そう、分かったわ。今日はみんなで一緒に寝ましょうか。直ぐに行くから先に寝室に向かいなさい。』

『アルにぃ、私も寝むるぅ。』 


 リリーアと一緒にお父さんとお母さんの寝室へ向かった、ダイブした。……そういえばお父さんとすれ違ったような、気のせいかな。疲れすぎて眠いや。


『セーラ…今日は二人だけだぞ。』手引いて


 スタッ グイッ


 『さあ、ギルお話しましょうか。』首ロック

『あのー、さっきのは許してもらったのでは…おちちつ…つ……ぎゃあああああああ~!!!』グギッ


 『お父さん、うるさーいよぉ!!! アル寝てるよ。』


 『で…死体が消えたってアルから聞いたし。ヤる事とやる事を果たさずに妻の体を貰えるとでも……全部話すまでダーメ♡』



 何かうるさいけど、まあいいや…泥のように寝むれそうだZzz・・・



 

  

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