保住家の人々

保住 尚柾なおまさ:父

 享年44歳。生真面目で仕事熱心。銀行員の長男として生まれたが、自分でやりたいことがあり、市役所に就職。それ以降、実父とは絶縁状態になっていた。物静かだが、うちに秘めたるものがあり、人に厳しく、自分にも厳しい。妻とは学生時代に知り合い、就職してからすぐに結婚。家庭のことは妻に任せきりだった。澤井とは同期入庁組で、何かと比べられていたため、仲良くすることは無かったが、彼のことは高い評価をしている。国への出向の後、膵臓癌を発症し闘病生活を送るも死去。


保住 加奈子かなこ:母

 大学時代のサークルで知り合った尚柾と交際し、結婚。勝気な性格で負けず嫌い。社交的でPTAやボランティア活動にも積極的に参加していたが、夫を亡くしてからは、パート勤務をしている。実家が資産家でお嬢様育ち。実家は県外。4人姉妹の3番目。地元では美人姉妹として有名だった。文句を言いつつも、夫の後輩たちの面倒を見て、仕事をスムーズにこなせるような内助の功を発揮していた。



保住 柾士まさし:祖父

 梅沢銀行の頭取を務めて現在は引退。長男である尚柾に大きな期待をしていたが、別な道を歩むことになり、仲違いした。妻を早くに亡くしてから、息子たちとはうまく会話できていなかった。加奈子とは時たま連絡を取り合い、尚柾に内緒で保住やみのりと面会させてもらっていた経緯もある。無口で何を考えているかわからないが、年齢の割には凛としている御仁。音楽を聞くことが好きで、星音堂には良く通う。また、体力をつけるため、毎日のウォーキングを欠かさない。


保住 尚子なおこ:祖母

 40台後半で死去。元市議の娘で朗らかな人柄だった。息子たちと夫の架け橋役としての立ち位置にいた。



保住 柾貴まさたか:柾士の次男

 父の意思を引き継ぎ銀行員として勤務。兄に対してのコンプレックスがあるが、兄のことは好き。征士や尚柾とはまたタイプが違い、あっけらかんとしている。恰幅の良い貫禄のある風体。趣味は家庭菜園。甥っ子である保住のことを可愛がっている。


保住 清美きよみ:柾貴の妻

 地元の温泉旅館の娘。ハキハキした性格で保住の母とは気が合う。二人でお茶をし、保住家の情報交換をしている仲。


保住 咲子さきこ:柾貴の長女

 梅沢銀行東京支店勤務中。年齢的には田口と同級。線の細いしっかりした美人。仕事が好きなので結婚はまだ考えていないようだが、保住とは疎遠。みのりとは良く話をしている様子がある。


保住 貴志たかし:柾貴の長男

 咲子の3つ下。中央の銀行勤務で東京在住。梅沢には滅多に帰ってこない。容姿は父親に似て、でっぷり系。


【登場作品】

★田舎の犬と都会の猫–振興係編–

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