九十六話 「強さ」

あなたは強いね。



そんな言葉を

最近言われたんだ。

正直なんて言葉を

返していいかわからなかった。



僕は、自信がない。

『強い』なんて一度も

思ったことないから。

ただがむしゃらなだけだ。



「その姿が強そうに

見えたんじゃないかな?」と

君は優しい声で

そう言ってくれた。



失敗したら人一倍へこむし

いつも器用になんて

できない。それでも

僕は強いの??



強いってことは

成功し続けるだけじゃない。

強さには人を

惹きつけるかも大事なんだよ。



人を惹きつけるか?

それこそおかしいよ。

何をやってもうまく

いかない僕に



興味を持つ人はいないよ。

強いと言ってくれた人の

勘違いだったんだよ。

僕は強くなんかない。



本当にそうかなあ?

何でもうまくいく

世の中なら

誰も人を羨まないよ。



みんなうまくいかず

悩んでる。他の人の

頑張り続ける姿を見て

強さを感じることもあるよ。



そうなんだね。

それなら僕は

まだまだ頑張り

続けるよ。



頑張るのはいいけど

どうしてそう思ったの?

無理することは

よくないよ。




だって僕は、誰かを元気づけたいから。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る