4. 口頭での長い文章は理解できない
「風味豊かなコーヒーにまろやかな生乳を加え素朴な味わいに仕上げました。」
私は,カフェオレが大好きだ。最近ハマっているのが酪王カフェオレ。上の文章は,この酪王カフェオレのパッケージに書かれていた文章だが,例えばこれを口頭で言われた場合,
「風味豊かなコーヒー,生乳,仕上げた」
というように私が受け止められる情報は,文字で読んだ時よりも大分減ってしまう。口頭での長い文章は覚えていられないのだ。ポンコツである。
これがさらに長くなり,
「風味豊かなコーヒーにまろやかな生乳を加え素朴な味わいに仕上げました。酪王自慢のカフェオレです。」
となると前半部分の記憶は薄れてしまい,この文章を聞き終わったときにしっかり覚えているフレーズは「自慢のカフェオレです」くらいだろう。他の部分は記憶からすっかりなくなるのではなく,「おいしいコーヒーとミルク」というようなざっくりとした内容は覚えているのだが,細かい部分を覚えていられない。
この記憶力の弱さが原因で,大学での研究発表のときは非常に苦労した。発表後に挙手制の質疑応答があるのだが,(私にとっては)長文で質問されることが多く,とても大変であった。
「私は,ホニャララ大学のホニャホニャです。素人質問で申し訳ないのですが,2点質問があります。まず,Aは○○という事ですが,Bは○○ではないのでしょうか。また,AとBには△△の関係性があると知られていますが,△△ではCがホゲホゲですがどうお考えでしょうか」
長い。長い。無理無理。私は一つの質問でも覚えていられないのに,二つも一気に質問されたら,私に伝わる内容はせいぜい
「ホニャララ大学,A,C」
くらいである。ホニャララ大の先生がAとCについて何か聞いてきた,ということしか分からない。何を質問されたのか全く覚えていない。常々思うが,筆談したい。せめて,丁寧な言い回しでなくシンプルに1つずつ短い表現で聞いてくれれば,と思う。
「Bは○○とは違うの?」
「A,B,Cの△△の関係について何かコメントある?」
といった感じでシンプルに1つずつ聞いて欲しい。自己紹介とか前置きとかで質問の文章が長くなるとどんどん忘れていく。これはどうにかせねば,と思いメモを取るようにしたこともあるが,結局メモを見ても質問を再構築できない。ただ単に,
「ホニャララ大学,A,C」だったのが,「ホニャララ大学,A,B,C,△△」
というように質問を再構築するためのヒントが若干増えるだけだからである。
私は質問を忘れてしまっているので,キーワードだけでは質問を再構築することはできない。キーワードから質問を再構築できるのは,質問の内容をやんわり覚えている人だけだと思う。そういった人にとっては,キーワードは記憶を呼び起こす鍵となり,質問内容を思い出すきっかけとなるものであるからメモを取ることは非常に有効だろう。しかし私の場合,メモしたキーワードは質問内容を思い出す鍵とはならず,ただの単語の羅列なのだ。これはもう対処法が分からないので,質問してくれた人には申し訳ないが,再度質問を言ってもらって,それでも質問内容が覚えられなかった場合は発表後に時間をもらって個別に回答するようにしている。
近い未来,リアルタイムで人の話を字幕付きで聞けるようになる技術が生まれることを願う。
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