時として魔女は―――

詩章

プロローグ

魔女の独白

 今日から、私は魔女のことわりを外れる。


 これから私は、私の意思で人間と触れ合っていく。



 私は気分屋だ。


 時には彼らを助けるかもしれない。


 時には彼らに酷いことをするかもしれない。



 私は、天使にも悪魔にもなれはしない。


 いつだって私は……


 どうしたって私は……



 静かな夜のふち、黄昏る魔女の表情からはなんの感情も読み取ることはできない。


 深い深い闇の中、魔女は理を外れた。

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