アイドル桃井恵

オーディション

マカロンレインボーは書類審査、1次面接、2次面接、歌唱審査、ダンス審査となっていた。とりあえず恵は書類を提出して1次面接、2次面接も問題なくパスし歌唱審査、ダンス審査に移っていく。歌唱審査、ダンス審査は公平を期すために歌唱とダンスは同じ曲で行われることになった。練習時間はそれぞれ1時間と決められていた。

恵は歌唱審査には自信があったものの、ダンス審査は自信がなかったので身体を目一杯、表現して踊りきった。

一通り審査が終わり恵は家に帰った。

家族は恵の審査結果が気になって仕方がなかった。恵は結果が分かったらまた伝えると言った。結果は恵が学校にいた時にブーブーと携帯がなっていたのでメールを確認するとマカロンレインボーの担当者です、一旦東京に来て欲しいと書かれていた。

そしてその事を家族に告げるとみんなで東京に行くことにした。担当者の方からは合格したので契約書をお渡しします。

入所されるならば1週間以内にまた送付してくださいと言われた。恵以外はアイドルになるべきだと思っていたが、恵自身どう思っているかと聞かれて海凪に言われたことを思い出した。

「めぐの人生だからめぐ自身で決めな」

この言葉を思い出してチャンスが巡ってきたと感じた。

恵は家族にどこまで出来るか分からないけど私は挑戦してみたいと告げると家族は快諾し、父親は自分のサインを書き印鑑を押してマカロンレインボーの住所に郵送した。

晴れてアイドル桃井恵が誕生した。


アイドルデビュー

ニックネームは名前の恵から取って「めぐっち」と決まった。マカロンレインボーは恵を含めて20人いて全員が顔を合わせるようになったのはこの時初めてでキャプテンに任命される。

恵はぶりっ子ではないが、小さい頃に芸能事務所から声を掛けられたこともあり自分の顔にはそこそこ自信があった。

しかし、周りを見渡すと小さくてかわいいメンバーがズラリと並んでおりこの中ではお姉さん的な存在でやっていこうと恵は決めた。

恵がマカロンレインボー加入した時には既にオリジナル曲が数曲ありレッスンが終わっても家に帰る前に近くの公園で歌って踊っていた。どうすればもっと上手く表現出来るのかを考えていた。手鏡だと小さすぎて見えない、休みの日にコンパクトミラーを買いに行くことを決めた。


愛おしい

マカロンレインボーには恵より歳上がおらず、恵と同い年で16歳のメンバーが1人だけいるだけで後は歳下のメンバーばかりでめぐちゃん、めぐさん、めぐ姉と恵は歳下のメンバーに慕われており、めぐも自分のことを慕ってくれる歳下に愛おしく感じホントの妹のように可愛がっていた。

特に恵のことを慕っていたのは12歳の妹尾星那せのおせなだった。

星那は身長140cmと小さく、恵と並ぶとホントの姉妹と間違えられてもおかしくなかった。

星那は140cmと小柄ながら身体全体を使い表現しておりダンスではかなり定評があった。星那は他のメンバーといるよりもお姉ちゃん的な存在である恵のもとに行くことが多かった。恵はそんな星那を妹のように可愛がっていたが、恵は星那を呼び出した。

恵は私のことを慕って来てくれるのは嬉しいけどそれだと星那は愛嬌があって愛されキャラなんだから他の子ともっと仲良くした方がいいよ。

星那がぶりっ子してると思われるし、私も星那だけ贔屓ひいきしてると思われたらお互いにイヤでしょ?星那は思わず恵にじゃあ私は恵ちゃんと仲良くしたらダメ?恵は私はいつでも大歓迎だよ。

私が言いたいのは1人の人と仲良くするんじゃなくてみんなと仲良くすることが大切なことだよ。星那なら分かるよね。そして恵は星那の頭を撫でた。


星那に相談

恵は毎日のように行われるダンスレッスンで最年長として、キャプテンとして引っ張っていかなきゃいけないという思いが人一倍あったが中々上手くいかない。

そこで恵は星那に今から自主練するんだけど一緒に付き合ってくれない?帰りにご飯をご馳走するからさ。星那はめぐさんといられるなら自主練でもなんでも付き合いますと笑顔で答えた。

星那は歳下だがアイドルとしては群を抜いていると思い一緒に練習をすればレベルアップ出来るのではないかと考えた。恵はCDを流すと星那はキレのあるダンスにどうやっているのかを聞いた。

星那はめぐさんみたいに背が高くないしスタイルもよくないので全身を使って大きく魅せるように心がけています。恵はなるほど、もう1回やってみてもいい?星那はどこまでも付き合いますよと付き合ってくれた。

恵は星那ありがとう。何食べたいとかある?

じゃあオムライス食べに行きたいです。恵はこの近くにあるお店に向かった。

恵はチーズオムライス、星那はクリームオムライスをそれぞれ注文して星那は学校であった話を楽しそうに恵に話していた。そして席にオムライスが届いた。星那はオムライスを美味しそうに食べていて恵はかわいい妹が出来たような感じで嬉しかった。

星那の携帯が鳴り、夜遅くで帰ってこないことを心配して電話がかかってきて星那を起こしたが起きなかったのでよくないと思い電話に出た。

星那さんと一緒に食事をしていた桃井恵と申します。星那さん先程まで起きてたんですか疲れて寝られてしまったので今晩は私の家に泊めます。動き回してすみませんでした。

星那の母はそういうことならばお願いしますと電話を切った。

恵は会計を済ませ、星那を背中に背負い家に帰った。

莉子とパパ、ママは星那ちゃんかわいいね。ママは起こさないようにベットで寝かせてあげな。恵は自分の部屋に星那を寝かせた。

莉子はお姉ちゃんどこで寝るの?恵はソファーで寝ようかな。莉子はお姉ちゃんそれはダメだよ、よかったら一緒に寝ようよ。

恵はそうだね、じゃあ一緒に寝ようと1つのベットで共に寝た。

翌日の朝、星那は目を覚ました。まだ状況が分からずここはどこなのか分からずにいた。机を見ると教科書の名前に桃井恵と書かれていた。

ここはめぐさんの家なんだ、でもなんで?部屋を出てリビングに行くと恵と莉子がいた。

星那ちゃんおはよう、お姉ちゃんの妹の莉子です。よろしくね。

星那はめぐさんにこんなかわいらしい妹さんがいらしたんですね。莉子はいやいや、星那ちゃんの方がかわいいよ。星那ちゃんは何歳?

12歳です、この前の3月までランドセルを背負って小学校に通っていました。莉子は星那ちゃんかわいいからお姉ちゃんと3人で写真撮ろうよ。ママ、写真撮ってくれない?

莉子はママに携帯を渡し写真を撮った。

星那のお腹が鳴った。ママは星那ちゃんの分も朝ごはん作ってるから一緒に食べていきな。

星那はめぐさん、莉子さんそしてお母さんにご迷惑をおかけしてすみません。恵はかわいい妹が1人増えたみたいで嬉しいよ。莉子はお姉ちゃんとだけじゃなく私とも仲良くしてくれたら嬉しいな。

星那は莉子さんよろしくお願いします。もしよかったら連絡先交換したいですと莉子は連絡先を教えた。

朝ごはんを食べ終えてママは星那ちゃんいつでも遊びに来てねと言って恵と共にレッスンに行くために家を出た。


莉子の行方

恵はマカロンレインボーとして活躍する一方で莉子も恵に負けじと頑張っていた。莉子は浦和紅月高校(中高一貫)でそのまま進学するものだと誰もが思っていた。

だが、恵も通っている私立カトレア学院から特待生として迎え入れるから来ないか?と誘いが来ていた。

浦和紅月高校も水泳界では有数の高校だし、カトレア学院は水泳を全く知らない人でも1度は聞いたことのある高校でどちらに進学するか莉子は悩んでいた。

そして莉子は内部進学で浦和紅月に行くべきなのか?それとも名門のカトレア学院に行くべきなのか?莉子は恵に話があると自分の部屋に呼んだ。

莉子は私、カトレア学院から特待生の話が来ててカトレア学院に行った方がいいのか内部進学で紅月に行くか悩んでるんだよね……。

恵はカトレア学院から特待生の話が来たの?

すごいことだよ。私なんて特待生じゃなくて一般入学だよ、選ばれたことは誇りに思うべきだよ。莉子は私はカトレアと紅月高校どっちに行くべきなのかな?

恵はそれはね、私が決めることじゃないよ。莉子が水泳をするならどっちが自分の力を今以上に発揮出来ると思う?そう思う方に私は行くべきだと思うよ。

それを聞いた莉子はやっぱりお姉ちゃんに相談してよかった。この時、莉子は恵に告げなかったが特待生として私立カトレア学院高校に行くことを決めたと恵に伝えた。

恵は莉子にカトレア学院に行くようには言わなかったが大方、カトレア学院に行くだろうと考えていた。

それは、元々能力のある莉子があのハードのトレーニングに耐えられたら水泳界に革命が起きるとまで思っていた。

莉子は恵の予想をはるかに超える成績で新人戦、全国大会、国体と全てに置いて日本記録を出した。そして高校1年生にして世界大会に出場するという快挙まで成し遂げる。


自主練の一環として

星那は莉子に電話をかけた。

もしもし莉子さんお時間大丈夫ですか?

莉子はうん、大丈夫だよ。どうしたの?

星那はお忙しいと思いますがお時間があれば一緒に遊びに行きませんか?

莉子はいいよ。星那ちゃんいつがいいかな?1度確認するからさ。星那は次の土曜日とかどうですか?莉子は1度確認してまた連絡するねと電話を切った。土曜日は午前中記録会があるからその後なら時間あるよと星那にメールした。

星那は分かりました。家で振り入れしてるので終わったらまた連絡を下さいと返信した。

午後1時、記録会を終えた莉子は星那に電話をかけた。もしもし星那ちゃん、今さっき記録会終わったよ。

星那はお疲れ様です。私はどこに行けばよろしいですか?莉子はそうだね、市民プール近くの駅に来てもらってもいいかな?この辺りで市民プールから近い駅は1つしかないからすぐに分かると思うよと電話を切った。

星那は中学校の制服を着て駅に向かった。15分後、駅に着くと莉子さんどこにいるのかと探していた。

莉子は星那ちゃんこっちだよと手を振って声をかけた。星那は莉子さんお疲れの所すみません。莉子は大丈夫だよ。どこに行く?

星那はカラオケ行きたいです。莉子は駅の周りを見渡して信号を渡ったところにカラオケを見つけて星那ちゃんあのお店でもいい?

星那はもちろんです。2人で行きましょうとカラオケに向かった。

莉子はカラオケ来たのいつ以来かな?何年か前にお姉ちゃんと来て以来だな、音痴で聞き苦しいけれどゴメンね。星那はカラオケは音痴どうこうではなく本人が楽しむことが1番なので。

星那はマカロンレインボーの曲を入れた。莉子は星那の透き通る声に圧倒されていた。星那ちゃん上手いね、やっぱりプロのアイドルは違うね。

星那は寂しそうな表情で莉子を見つめた。莉子は星那ちゃんゴメン、気分悪くするようなこと言っちゃったかな?

星那は歌で上手いって言われたの始めてなもので、私ボイストレーニングしても中々上手くならなくて莉子さんに今日カラオケに付き合ってもらおうと誘いました。

莉子はそういうことね。でもそれならお姉ちゃんにボイストレーニング付き合ってもらうとかカラオケに付き合ってもらう方がよかったんじゃない?私でよかったの?

星那はめぐさんは頼りになるお姉さんだし客観的な意見を聞きたくてアイドル以外で誘える人が莉子さんしかいなかったもので。

莉子は嬉しいこと言ってくれるね。よし今日は星那ちゃんの練習に使っていいよ。私は観客になったつもりでいるね。星那は2時間同じ曲を歌い続けた。せっかく莉子さんも来たので1曲歌ってくださいとお願いをした。

莉子はそこまで言うなら1曲歌おうかな。先に言っておくけど音痴でも笑わないでねと恥ずかしそうに星那に言った。莉子は歌い終り星那は感想を述べた。言うほど音痴じゃないですよ、もう少し音程が取れればもっといいですよとアドバイスをした。

そして星那は最後に私たちは定期的にライブをやってるので莉子さんよかったら観に来てください。莉子は支払いを済ませうん分かったとカラオケを後にした。


新たなメンバー加入

マカロンレインボーが結成されて半年、市民公民館や学校の文化祭のゲストそしてホールと大なり小なり色々な場所でライブを行い、そしてボランティア活動にも積極的に行っていた。

そしてある日マネージャーから追加メンバーオーディションを行うと通達された。恵を含めたメンバーは次入ってくる子はどんな子なのかとワクワクしていた。

そしてホールでライブが行われ、終演となりパッと電気が消えた。メンバーも観客も何事かと思いパニックになっていたら、舞台袖から「まだ終わってないぞ〜」と聞いたこともない声が聞こえ、ステージにやってきた。

20人が整列してした。

「私たちマカロンレインボー研究生です」

そしてメンバー紹介していき、恵は1人の子の名前に聞き覚えがあった。東雲翔子と言う名前に。ハプニングみたいな感じで研究生が発表されたが無事ライブは終わった。ライブ後に翔子は恵に挨拶をした。

恵はしょーちゃん久しぶりだね。受けてるなら1本連絡くれてもよかったのに〜。翔子はお姉ちゃんとも話したんですがどうせならめぐさんを驚かせようと思って2人で入るまで恵さんには黙っておこうって話になって。恵は名前見た時同姓同名かと思ったよ〜、ホント意地悪な姉妹だなと笑いながら翔子との久しぶりの再開に喜んだ。

星那は翔子の加入を莉子にメールで伝えるとあの翔子がアイドルか、なんだか実感が湧かないな。今度会ったら莉子が会いたがってたって伝えておいてと返信が来た。


星那のイタズラ

星那は翔子とも仲良くしようとした。だが翔子は同じ中学の先輩でもあるめぐさんとずっと喋っていてなんだかお姉ちゃんを取られたような思いだった。

ある日恵はいつものようにレッスンが終わりロッカーでみんなの話しており、今日は妹の誕生日だから先に帰るねと言って先に帰った。

翔子はちよっとお手洗いに行くと言ってロッカーに戻ると翔子の大好きなチョコレートが無くなっていた。その時、翔子は電車の時間が迫っていたのでそこまで気には止めなかった。

しかし、それが何度も繰り返され、翔子は恵に相談した。恵は翔子に他の子にも聞いてみるから翔子も何か分かったら私に言ってねと伝えた。

そして何日か経ったある日、他のメンバーから星那が翔子の物を取るところを見たよ。

その言葉を聞いて恵はメンバーに激高した。

「何でそこに居たのに注意しないの、傍観者は良くないことでしょ?」

いつも温厚な恵が注意し、どんな些細なことでも私に言ってと伝えた。

翌日、恵はメンバーを集めた。

「悪いことをしたらすぐに言って謝った方がいい。お互いにイヤな気持ちになるし、みんな大切な仲間でしょ。もしその現場を目撃したら注意して私に言うこと」

恵は声を荒らげた。

それを聞いた星那は恵を呼び出し、今回の一件は自分がやったと謝罪した。

恵は星那に謝るのは私じゃないでしょ?

星那は軽く頷く。

恵は翔子に来るように促した。翔子は恵さんどうしましたか?

星那が翔子に話があるみたいだよと言った。この時恵は何かあったら仲裁に入るつもりでいた。

星那はゴメンなさい。翔子さんにイタズラしたの実は私です。

翔子は星那にどうしてこんなことをしたの?

星那は翔子さんがめぐさんと仲良く話してるのを見たらめぐさんを翔子さんに取られちゃうのじゃないかって思って……。そう思ったらダメだと分かっていたけどチョコレートを取ってしまいました。

翔子はでもね、私は知ってるよ。星那がめぐさんのことを慕っていることをね。

たまらずそれはどうしてですか?

だって私が1年生でめぐさんが3年生で最後の大会の時に星那はあの試合見に来て誰よりも大きな声でめぐさんを応援してたの知ってるよ。

何年も前に応援してた1人でしかなかっに私だとどうして?

翔子は私がマカロンレインボーに入るってなったら星那はいい顔をしないだろうなって思ってたよ。だから今回の件はもしかしたら考えたくなかったけど星那かも知れないと思ってたよ。

星那はじゃあ翔子さんは私がやったと分かっていながら呼び出して怒らずにいたってことですか?

翔子はさっきめぐさんも言っていたでしょ?悪いことをしたら謝った方がいいって。もしめぐさんが話してくれなかったら星那は謝らなかったと思うよ。そしたら星那も謝りたいと思っていてもいつ言おうかともやもやしていたはすだよ。

星那は翔子さん、めぐさん今回はホントに申し訳ありませんでした。翔子さんこんな私ですが仲良くしてもらえますか?

翔子はもちろんだよ。だって星那は大切な仲間だからこれからはこういうことはないようにと伝えた。

星那と翔子は恵に改めて今回はすみませんと言った。

恵は同じ仲間なんだから仲良くしないとダメだの。恵は星那と翔子を誘い3人で食事に出かけた。


謝罪を込めて

星那は翔子に声をかけた。この前はすみませんでしたと同じチョコレートを手渡した。

翔子はこの前の件ね。私こそチョコレート1つで荒らげてゴメンね。怖い思いさせちゃったね。星那はそこでお詫びにご飯一緒に行きませんか?翔子はいいよ。星那は何食べたい?

星那は翔子さんの謝罪での食事なので翔子さんの好きな物を食べに行こうかなと思います。

翔子はそういうならイタリアンのお店行こうよ。レッスン終わったら一緒に行こうね。

星那はふとこの前莉子さんが翔子さんに会いたいって言ってたな。内緒で莉子さん誘ってもう1回イタズラしようと考え、莉子に午後6時レッスン場近くのイタリアンのお店に来て欲しいとメールを送った。

午後5時半にレッスンが終わった。翔子は星那に今からどこのお店行く?星那は行きたいお店ある?すると星那はこのレッスン場の近くにイタリアンのお店があるのでそこに行きたいですと念押しをした。

そして着替えを済ませ2人でイタリアンのお店に向かった。

午後6時、お店に着くと翔子は驚いた。あれ、何で莉子がいるの?

莉子はどうしてって星那ちゃんにこのお店に来るように言われて来たよ。

翔子は1回お店に入ろう。そして星那、これはどういう事なのか詳しく説明してね。

莉子はシーフードピザ、星那はカルボナーラ、翔子はナスのトマトソースとそれぞれ注文をした。

翔子は星那に説明を求めた。星那はいつも莉子さんにかわいがってもらって翔子さんが新メンバーで入ったとメールしたら会いたがってるって言ってたのでこの前のチョコレート事件の件を謝罪する意味で莉子さんにお会いしたら嬉しいかなと思いました。

翔子は星那なりに気を遣ってくれたんだ。でも莉子が会いたいっていうのは予め伝えてくれてもよかったかな。

莉子は翔子に言い放った。翔子は私に会いたくなかったの?酷いな〜。翔子は会えて嬉しいよ。まさか莉子に会えると思ってなかったから驚いてるって感じだよ。

莉子は翔子に尋ねた。さっき星那ちゃんがチョコレート事件って言ってたけどどういうこと?翔子は星那が私のチョコレートを勝手に食べて怒ったって話でめぐさんに相談したら星那の方からやりましたって言ってさ。

莉子は翔子にチョコレート1つぐらい別にいいでしょ。話を大袈裟にするような事でもないのに。

翔子はチョコレートを食べられたことに怒ってる訳じゃなくて人の物を勝手に取ったらダメだよってことを星那に伝えたくて。

莉子は星那ちゃんはどうしてそんなことしたの?

星那は翔子さんずっとめぐさんと喋っていてお姉ちゃんを取られるような感じがして……。

莉子はそれは翔子が悪い。星那ちゃんはお姉ちゃんとも翔子とも喋りたいと思ったんじゃない?

星那は莉子さんの言う通りです。私はめぐさんや翔子さん、みんなと仲良くなりたいです。

莉子は星那ちゃんかわいいね。要するに翔子がお姉ちゃんとずっと喋ってたから拗ねて翔子にイタズラしたんでしょ。

翔子は原因はそこだね。こんな私でも星那は仲良くしてくれる?星那はもちろんです。私はもっと翔子さんとお喋りして仲良くなりたいです。テーブルにピザとパスタがそれぞれ届いてシェアしあった。

星那は今回2人を誘ったの私なので今回はお支払いさせてください。莉子と翔子はさすがに歳下に払わせるのはね。しばらく考えて翔子は星那がこう言ってるんだし今回は払ってもらおうよ。

莉子はそうだね。今度はお姉さんたちがご馳走するからとお店を出た。

後日、翔子は莉子に電話をかけた。

莉子聞いて。この前の食事以降、星那が翔子さんって来て話しかけてきてくれてそれがめっちゃかわいくてさ。

莉子は星那ちゃんかわいいよね。私も莉子さんって慕ってくれる感じでまるで妹が出来た感じがしてスゴい愛おしいんだよね。

翔子はホントだね。私がお姉さんとして星那をかわいがって何か注意するようにするね。

2人は星那のことについて電話で3時間喋ってお互いに星那のかわいい話があったら互いに話すように言い合った。


レッスン後

レッスンが終わり、恵はメンバーみんなで近くの食べ放題に誘った。メンバーは目を輝かせてお店に向かった。

恵は相談等あれば答えるつもりでいたがみんなそんな感じではなくガールズトークを楽しんでいたので恵もガールズトークに盛り上がっていた。

あるメンバーが恵にアイドルをする前は何をされてたんですか?と聞き、星那はメンバーに携帯で当時の写真を見せた。

「失礼しました。私の御失態をお許しください」と言うと恵はそんな言い方すると怒るよって冗談半分で答えた」

メンバーとお喋りしながら食べているとあっという間に時間が過ぎたがメンバーの絆はより一層深まった。

そして恵は時間を見つけてまたみんなで食べに来ようねと言うと他のメンバーはとても嬉しそうな表情をしており恵も嬉しそうだった。


ガールズユニット

恵、翔子、星那の3人のユニット

「ミラクルハピネス」が新たに結成された。

マカロンレインボー初のアルバム「私たちを見つけて」にはスリーカラーズという曲も収録されている。

ミラクルハピネスでは3人の個性を活かすために衣装はバラバラで恵は水色、翔子はオレンジ、星那は黄色で3人ともミニスカートで上の衣装にはリボン、耳には星のイヤリングと決まった。

そしてライブが行われ、ミラクルハピネスが登場してスリーカラーズのイントロが流れた時に観客からはこのライブ1番の歓声が響いた。ライブには妹の莉子、そして賢太郎も来ていた。

ライブ後に恵は莉子、賢太郎はありがとう。どうだった?健太郎はめぐがかわいい衣装を着て踊っててすごいキラキラしていたよ。

ストレッチを終えた星那がやって来て莉子さん久しぶりですと抱きついた。めぐさんとのユニットどうでしたか?

莉子はお姉ちゃんも星那ちゃんもすごくかわいかったよ、もしよかったら写真撮ろうよ。莉子は健太郎に携帯を渡して3人で写真を撮影した。恵は私たち着替えるから戻るね、2人とも気をつけて帰ってね。


一通のメール

かわいい衣装、歳下のかわいいメンバーから慕われアイドルとして活動に充実していたものの、恵は次の道に進もうと考えていた。今までは休みの日に他のアイドルのコンサートに行き、吸収出来るものは吸収しようとしていた。

それも大事だけど、自分はこの先を見据えて映画、モデルの撮影会等に参加した。

そして恵の元に一通のメールが届いた。「モデルの仕事に興味はありませんか?興味があれば1度事務所の方にお越しください」

宛先をみるとプリンセスクイーン担当者よりと書いてあったので恵はメールで1度事務所に行きますと連絡を入れた。恵は事務所のドアを開くとまるで親戚のように久しぶりだねと言われた。

恵はピンと来ていなかったが、そこにいた小川大介は当時小学生だった恵にスカウトした張本人だった。

大介は恵さん大きくなったね、小学生の時にみて可愛らしい女の子だなって思ったけど今は当時の面影かありつつ大人の女性になったね。恵は顔を赤くし、ありがとうございますと伝えた。

大介はずっと恵さんを見ており、水泳界を席巻してきたこともアイドルマカロンレインボーのメンバーとして活躍していることも知っているよ。大介は改めて恵さんモデルの仕事をしない?恵はん〜……すぐに答えを出せないので1度考えさせて欲しいとその日は帰った。

今まで通りマカロンレインボーとして活動するのか、卒業してプリンセスクイーンの一員として新たな生活を送るのか考えていた。

恵はマネージャーに相談するとマネージャーは恵にいなくなるのは痛手だけど、自分の気持ちに素直になりなと言われた。恵は莉子に卒業することを伝えるとお疲れ様と優しく言ってくれた。


恵の決断

マカロンレインボーはライブツアーで全国各地を巡ることになった。ライブツアー最終日には地元埼玉でその上、恵の誕生日で終演に差し掛かっていたところで電気が消えた。そして会場からはハッピーバースデーの曲が流れてケーキが運び込まれ、恵は感動して涙を流していた。そして特別ゲストとして莉子が登場した。莉子は恵に手紙を書いてきて読み始めた。

「お姉ちゃんへお誕生日おめでとう。私は水泳、お姉ちゃんはアイドルでお互いに忙しくて大変だね。いつもお姉ちゃんの姿を見て私ももっと頑張らないとなって思います。私が困った時にお姉ちゃんに相談すると敢えて答えを言わず優しくどちらを選ぶのも莉子次第だよ、莉子が選んだ方に応援すると言ってくれた時は自分の気持ちに素直になれました。お姉ちゃんもアイドルを卒業しても次のステージで頑張ってください。莉子はお姉ちゃんの1番のファンです。お姉ちゃんもたまには莉子を頼ってください。 桃井莉子より」

まさかの莉子からのサプライズの手紙で、観客、メンバーの響動どよめきがすごかった。

恵はこの後のコーナーで卒業発表を自分の口から言おうとしたらまさか先に莉子が恵の卒業を発表する形となった。

恵は先程妹の莉子が言ってた通り私、桃井恵はマカロンレインボーを卒業し、モデルとして活躍していこうと思います。 まさか莉子が出て来て手紙を読んでくれるとは思いませんでした。

最近のメンバーの活躍を見て私が抜けてもこのグループは今以上によくなると思い、私自身次のステージに進んだ方がいいと思いました。

そして1期生としてキャプテンとして活動してきましたが、後任のキャプテンを妹尾星那に任せようと思います。引き続き桃井恵とマカロンレインボーの応援をよろしくお願い致します 。

恵は観客に深々く一礼をすると、どこに行ってもめぐちゃんを応援するよと温かい言葉をかけられてマカロンレインボーに加入し頑張ってきてよかったと恵はつくづく思った。

ライブには莉子や父、母以外に賢太郎も訪れており普通のライブの一日としか思っていなかったが恵のラストライブとなった。

そして普段はやらないが恵の粋な計らいでその日駆けつけた観客、メンバー、スタッフさん全員で写真を撮ることになった。そして全員で恵を送り出した。

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