第6話 異世界での初生活もエロジジイの賢者モードでなんとかなりそうです
急に視界が開け
知らない世界が目の前に広がっていた
身体を突き抜けるような爽やかな風と香り
土と草木の匂いだ…しかし不快ではない
上を見上げればどこまでも続く雲一つない青空…
鳥さんもピーヒョロロ…素敵な音色だね…
ちょっと視界から得られる情報が多すぎて気持ち悪いので
一旦思考を切り替える
まず何しようかしら…
というかここどこなんだろう…?
意気揚々とその場のノリに任せて世界を救う!なんて言っちゃったけど
全く具体的なビジョンが浮かばん…
とにかく今晩の宿を抑えてゆっくり置かれた状況知りたいよなぁ…
焦る気持ちと、転生したてのポヤポヤした気分と、なんとかなるだろうという思考が相まって
目の前に広がる大地をとりあえずとぼとぼと歩いてみることにした
と、トラックに轢かれる以前の癖でズボンのポッケに手を突っ込もとして失敗
?違和感を感じて自身の下半身に目を向けると
「あれ?ズボンが変わってる…。あれ?Tシャツもだ!ってリュック背負ってたのかぼくは!」
自身の変化にやっとこさ気付くのであった
「服も荷物も変わってるのにも気づけないで、未知の世界の一歩を歩もうだなんて、
ほんと転移に浮かれてたんだなぁ…やばいやばい…」
取りあえず地べたに座って自分の状態を確認してみる。
服装はなんか、麻?でできたごわごわで質素な服に代っていた。
中世の平民が着てそうなやつだ。
パンツはなぜか今までのやつだった。取りあえずありがたい。
その後、背負っていたリュックの中身をあらためてみる
結構ずっしりしていて重いのだ
リュックの口をあけると、一番上に紙が置かれていた
早速読んでみる
『
とりあえず、一番安定していて、種族間の対立とかも比較的まともな人間種の国におぬしを送っている
適当に身分証も用意したぞ
だいたいここから道なりに進むと、城下町が見えてくるから
そこにお世話になるといい
服も周りから浮かない感じにした
パンツまで変えちゃうと違和感ですぐ現実に目を向けてしまいそうで
我が異世界に感動してもらえなそうだったから変えておらん
男はチンポジに敏感だからな…
ちょっと申し訳ないので…
一か月は不自由なく暮らせる分と
冒険者始めるなら装備も必要だからその分のお駄賃もプレゼントだ
初心者スターターパックだな
あいにくログインボーナス?はないのであしからず
あと、「ステータス」と念じると自分のステータスが分かるぞ。恥かく前に伝えておく。
追伸
あれはリュックの底にいれてある
今度は底に穴をあけてまき散らすんじゃないぞ
創造神 ダン=コー
』
「神よ…」
手紙をもつ手がわなわなと震える…
実はかなり未練たらたらだったんだよ…死ぬ前に読めなかったエロ同人30冊…
ありがとう…ありがとうございます神よ…
服とか資金とか身分証とか、転送先とか、至れり尽くせりで
それでもなお神様は「申し訳ない」と断りをいれる始末!
もう頭が上がらないのだが…最後の最後にこの仕打ち!
うっすらこんな僕をそこまでおだてて何したいのかとか
死後の世界で一瞬ダン様をうさんくさく思っていた自分が恥ずかしい…!
なんと素晴らしい神様か…
そんな神様の期待に応えるのめちゃきつくないか…?
ちょっと胃が痛くなってきたぞ…?
多分ぼくがプレッシャーに中折れして、エロの道踏み外しても
あの人のことだから、「そうかそうか…そういうこともあるし気にするな」とか
田舎のおじいちゃんみたいに許されてしまいそうで…
それが辛い!あぁ!辛い!
こういうときは現実から目を背けるのが一番手っ取り早いので
早速、それこそ死ぬほどまちに待ったエロ同人30冊をご開帳することにした
「ご丁寧に包装のビニール袋も全てはがされてる…」
ダン様が一個一個ひらいてくださったのだろうか…
やはり細部まで気を配られる偉大な神様だ…
と、あれ?買った時と順番が違うぞ?
それに、オネショタ系のエロ同人だけ、変な開き癖がついてる…
「ま、まさか…」
風に吹かれて、神様からの手紙が裏返るのを見た
『
拝啓
信愛なるエロの同志へ
すまん…使ってしもうた…
サプライズでおぬしのエロ同人?を入れておこうと思ったのだが…
やはり表紙をみると気になってな
オネショタ?というのかあるだろう?
ちょっと夢中になってしまってな…初めて読んだのだエロ同人というものを…
改めてすまない…
お詫びの気持ちというわけではないのだが
色々とそっちで不都合ないように、エロ同人以外もいっぱい持たせておいたからな…
詳しくは裏面をみてくれ
』
…
………。
ただのエロジジイの賢者モードじゃねーーーか!!!!
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