第244話   スピンオフ作品 若き歴史学者の論文

        はじめに


 本稿は本編ではありません。

 タイトルにもありますが、原作者本人によるスピンオフ作品となります。

 ご了承いただけたら幸いです。



 物語の舞台は本編から数百年後の未来を想定しております。

 歴オタの悪い癖全開の作品となりますので、今の内に謝っておきます。

 ごめんなさい。


 楽しんで頂けたら幸いです。

 それではどうぞ。






 タイユット・アルベルヒは教授の部屋を出たとたん、大きなため息をついた。

 

 「どうした。タイユット。聞こえるようなため息なんてついて。論文は駄目だったのか」


 友人のロレンツォが声をかける。


 「駄目ってことはないけど、飛躍した論述って言われたよ」

 「それは、駄目って事じゃないのか」

 「まぁ、そうなんだけど、面白いとは言ってもらえた」

 「面白いね・・・」


 ロレンツォは苦笑いを浮かべる。

 研究結果に対して面白いという評価は、やり直しと同義であった。


 「言うな。分かってる」

 

 タイユットは友の追い打ちを防ぐように両手を前に突き出す。


 「今回は残念だったな。そう気を落とすな。一品おごってやるから飲みにでも行かないか」

 「行く」


 古都エンデュミオンの尖塔に夕日がかかる頃、二人で昔ながらの歓楽街"ラキッチェ"へと繰り出した。

 行きつけの飲み屋の扉を叩き、一番安い酒を頼む。

 ロレンツォの良く響く声で乾杯をし、一気に飲み干した。


 「で、面白い研究ってのはアレだろ。お前の地元のモンテューニで活躍した伝説の修道女・・・アレ? 名前を度忘れした」

 「ファルディナだよ。ファルディナ」

 「ああ、そうだった。ファルディナの出自についてだったな」

 「そう」

 「テュード王朝期の修道女の出自なんて。また、細かい研究に行ったな」

 「細かいって言うな。当時の修道会を論ずる上でも重要な主題だ」

 

 タイユットが酒杯をロレンツォに突きつけ抗議した。


 「すまんすまん。で、分かったのか。出自は」

 「僕は自信がある」

 「よし。聞いてやる」

 「いいか、そもそも・・・」


 二人の若き歴史研究者の長い夜が始まろうとしていた。

 

 

 ニース、モンテューニュ史の研究において修道女ファルディナの名は重要である。

 ただ、その大きな足跡に対して、彼女自身の出自については全くの不明であった。多くの研究者たちがこの謎に挑戦したが、今のところ結果を出したものはいない。


 「昔の修道女の出自なんて、分からない方が多いだろう。同時期の修道女ユリアだって分からんのだろう」

 「いいや、修道女ユリアは孤児も同然の境遇だったって事が分かっている。本人の手記があるからね」

 「アルカディーナ言行録か」

 「そうだ。同時代史料としては一級品だよ」

 「一級史料なのは認めるが、中身は結構無茶苦茶だぞ。宗教家特有の露骨な賛美と誇張表現の展覧会」

 「一部、そういった点があるのは認める。だけど時系列や事実関係に関しては間違いは少ない。信用に足る史料さ」

 「まあな。ああ、そう言えば去年だったかオルレアーノ大学の紀要に、『アルカディーナ言行録の中身が無茶苦茶なのは、当のアルカディーナ本人が無茶苦茶だったから』ってのがあったな。あの論は面白かった」

 「僕も読んだ」


 その後、二人の話はアルカディーナ言行録に脱線する。


 「でだ。話を戻して、僕の説を裏付ける先行研究はこれさ」


 タイユットは鞄の中から一冊の冊子を取り出しロレンツォに手渡した。

 受け取ったロレンツォは表題を読み上げる。


 「なになに、『歌劇アステールの原本研究』 著者はクレベルト・ライオネル・・・誰だ」

 「僕もよくは知らない。どこかの大学で古典の研究をしている人らしい」

 「文学系の論文か。で、この研究がなんなんだ」

 「その前にアステールのお話は知っているよね」

 「見たことは無いが、粗筋ぐらいなら」


 歌劇アステール。

 昔から人気のある古典的な歌劇だ。

 幾つかの改訂版があるが、おおむねの筋はこうである。


 昔々。王都エンデュミオンにアステールと言う名の美しい姫がおりました。

 姫は透き通るような美しい声の持ち主で、皆から大層愛されて暮らしていました。

 ある時、西からやって来た悪い魔法使いにその美しい声を奪われしまいました。

 魔法使いの目的は王都で行われる演奏会。

 演奏会の主催者である王子の前で歌を披露し、お后の座を射止めようとしていました。

 アステールは自身の声を取り戻すべく魔法使いと対決。

 音楽の神ディオイアの助けを受けたアステールは、魔法使いと歌合戦を繰り広げ、ついに勝利し声を取り戻しました。めでたしめでたし。


 「歌劇アステールの見どころは何と言っても後半の歌合戦だよ。二人の歌手が入れ代わり立ち代わり歌うんだから。君も観たほうがいいよ」

 「そのうちな」

 「観る気が全くないな。まぁいいや。この論文はね、歌劇アステールの古い台本を研究したものだ。この作品の原型は実際に起こった話が元になっている。ってのが論旨」

 「実際にあったって、姫と魔法使いとの歌合戦がか? そんな馬鹿な」

 「歌合戦はないけど、歌が重要な主題であることは確かさ。ええっと、これだ」


 タイユットは冊子を捲り目的の箇所を開いた。


 「いいかい。歌劇アステールの最古の形は、"捕らわれの姫マリー"ってやつらしい。この話は無実の罪で投獄された姫が、自身の潔白を訴えるべく捕らわれた塔の中で歌を歌うんだよ。だけど、無実が認められず、嘆き悲しんだ姫は鳥の姿に身をやつして、いずこかに飛び去って行った。ってお話し」

 「本当に原形なのか。全く違う話にしか聞こえないんだが」

 「一応、どのように変化していったかは論じてある。この辺りの解釈は門外漢の僕には難しいけど。まぁ、一つの説だと思ってよ」

 「分かった。続けてくれ」

 「この中に興味深い研究があって、捕らわれの姫マリーってのがマリエンヌと表記している改訂版があったのさ。この箇所が大事な要素なんだ」

 「ふむふむ。となるとマリエンヌってのが何者か、同定されたという事か」

 「その通り。話が速くて助かるよ。いいかい、この論文が言うには教会の史料に、テュード王朝期 ゲルマニクスの七年、エンデュミオンのメッカローナで音楽祭が開かれたとある。これは現在確実に記録として残っている最古の音楽祭だ。この音楽祭で歌われたのが、例のマリエンヌの歌と呼ばれるものだったのさ」

 「ほうほう」

 「この音楽祭が行われていた同年に、一つの裁判があった。当時の有力貴族だったヘシオドス伯爵が謀反の罪で捕まったのさ。その時に罪を連座し捕らわれた伯爵の娘の名前がマリエンヌ。このマリエンヌは獄中で死亡したらしい。自殺とも口封じとも言われているけど、裏付けとなる有力な史料は無し。真相は未だに闇の中」

 「そのマリエンヌという女の裁判と同時期に、その名を冠した音楽祭があった。偶然かもしれないが・・・」

 「そう、何らかの関係性を示唆しいてるのかもしれない。別の古い改訂版には、マリーが自分を弁護して無実を勝ち取る、ってのもあるらしい。こちらは明らかに裁判を意識した内容だ。そこから著者は、"捕らわれの姫マリー"の題材はこの謀反事件であると結論付けている。要約すると、マリー=マリエンヌ説だ」

 「なるほど、面白い研究だが、お前の研究と何処で繋がるんだ」


 ロレンツォの指摘にタイユットは勝ち誇った顔をして宣言した。


 「僕はこのマリエンヌこそが、修道女ファルディナの正体だと思う」


 タイユットの宣言はロレンツォに何の感銘も与えなかった。


 「これは教授でなくても思うわ。論理が飛躍している。海すらも超える勢いだ。なにか論拠があるんだろうな」

 「勿論さ。いいかい。ファルディナの最も古い記録は、この裁判が行われた同じ年のものだ。この年にファルディナはアルカディーナの洗礼を受け、ニースで修道女になっている」

 「同時代人であることは認めよう」

 「この頃の彼女について分かっている事柄は少ないけど、既に相当の高い教養を有していたこと。没年から逆算するに、年齢は二十歳前後であったであろうこと。そしてヘシオドス家の本領のあったメルキアに縁が深いことさ。これは先行研究により裏付けが取れている。まだあるぞ。捕らわれの姫マリーの外見的特徴がファルディナのそれと酷似している。彼女はとても歌が上手だったらしい。これらは全て物語の中で語られるマリエンヌの特性に当てはまる。そして極めつけが修道女ユリアの"アルカディーナ言行録"。この年、ゲルマニクスの七年、ヘシオドス家の裁判と音楽祭が行われていた正にこの時期に、アルカディーナはここ、エンデュミオンに滞在しているんだ。どうだい、様々な事柄が一つに繋がったじゃないか」


 熱弁を振るうタイユットに、ロレンツォは一呼吸置いて言った。


 「俺が言えることは一つだけだ。お前は警官にはなるな」

 「何だよ。罪の捏造とでも言いたいのか」

 「冤罪事件の状況証拠でも、もう少し説得力があるわ。それ以下じゃないか。特にマリエンヌとアルカディーナとの関わり合いが弱すぎる。同時期に同じ場所に居た人間なんて、当時のエンデュミオンの総人口と同義だぞ。数十万人が関係者になる」

 「違うよ。本当にこれだけなら、僕もこんな結論に至らないさ」

 「なんだ、まだ隠し玉があるのか。もったいぶらずに見せてみろ」

 「いいかい。ニースの公文書館には初代領主の資料が幾つか残っている。その中の一つに不思議なものが有ったのさ。なんとヘシオドス家からの感状さ」


 感状とは戦功があったあった者に対して、上位者がそれを認め労う文書の事である。


 「感状? それのどこが不思議なんだ。騎士が感状を貰うなんてありふれたことだ。ヘシオドス家のために武功でも建てたのだろう」

 「そんなわけないよ。当時ニースはセンプローズ一門の勢力圏だったんだ。ヘシオドス家は・・・」

 「ああ、そう言えばクールラント一門だったか」

 「そう。王家以外で自身のクリエンティスでもない者に、"感状"を出す例は極めて異例さ。渡すにしても主たるセンプローズを通すか、一段低いお礼の手紙で留める。だけどこれは完全に公文書の書式で出されていた。仲介者からの添え状もなし。おそらくは直に渡したものと推察されている」

 「確かに当時の書札礼を考えてみると、それは異例だな。無いとは言わんが」

 「だろ。感状にはニースの助力への感謝が記されていた。記されていた日付は音楽祭が終わった数か月後。ちょうどファルディナが現れた時期と被るんだ。僕はこれを読んだときにピンと来たのさ。感状にマリエンヌの記載はないけれど、この助力ってマリエンヌ救出に対しての事じゃないかって。当時のヘシオドス家は微妙な立場だったろうから、表立って書けなかったのではないかって」


 タイユットの主張をロレンツォは腕組みして検討する。


 「・・・一族の者が窮地を救われたのであれば感状の一枚も書くか。助力を謝する感状も珍しくはない」

 「あり得る話さ。当時ニースに居住していたアルカディーナがエンデュミオン滞在時に、ニースの領主がヘシオドス家への助力をしたって事はだよ」

 「ニースの領主がアルカディーナを通してマリエンヌを、引いてはヘシオドス家を助けた」

 「んー。ちょっと違うと思う」

 「どこが」

 「感状にはメルキアで迷惑をかけたことについての謝罪の一文があった。初めからヘシオドスのために働いていたのであれば、この一文は変だ」

 「確かにな。ならば順序が逆か。アルカディーナの要請を受けてニースが動いた」

 「裏付けがないから、この辺りは分からないとしか言いようがない。だけどニースがヘシオドスのために尽力したことだけは確かだ」

 「同意する。想像に想像を重ねたような話だが、一応の筋は通っている・・・か」

 「そう。逆にそれぐらいしかないんだよ。ニースがヘシオドスに感謝される理由が。だってニースとの初めての接触が感状なんだよ。おかしいだろう。ニースが封建されたのって前年のゲルマニクスの六年なんだぜ。それ以前に両者に接触があるとは思えない。だって違う一門なんだから。逆にどこで知り合うのさ。実際にそんな記録もない」

 「その時期のアルカディーナ言行録には何と書いてあるんだ」


 ロレンツォの疑問に、タイユットはよくぞ聞いてくれたと鼻息荒く応える。


 「そこが問題なのさ。この時期のアルカディーナ言行録はどこか不自然なんだよ。ニースから王都に向かったことは書いてあるんだけど、裁判については全く記録がない。ただこの時期、アルカディーナは教会のお偉方と頻繁に接触している。これは教会側の史料で裏付けられているんだ。残念ながら何をしていたかは、すっぽりと抜け落ちている。まるで触れてはいけないかのようにね」

 「なるほどな。いや、待てよ。俺も思い出してきたが、その時のアルカディーナは王都に同胞を探しに行ったんじゃなかったか。彼女は異邦人だったとか何とか」

 「確かに同胞を探しに王都へと向かったとは書いてある。だけど、その後どうなったかについては一切触れられていないんだ。同胞は見つかったのか、見つからなかったのか。それぐらいは書いてもよさそうなものなのにね。そしてもう一つ。アルカディーナは音楽が好きだったそうだよ。彼女はバルバットと呼ばれる弦楽器の名手だった。更にマリエンヌの歌の音楽祭が開かれたのは神殿教会のお膝元、メッカローナ広場さ。もしかしたらこの音楽祭はアルカディーナが開催したのかもしれない」

 「それは論理が飛躍しているだろう」

 「まあ聞いてくれ。僕がこの考えに至ったのは、この時期の"アルカディーナ言行録"には、唐突に彼女が友人たちの前でバルバットを演奏し、歌を歌ったって逸話が挿入されているからさ。因みに修道女ユリアは"天にも昇る心地であった"と記してある」

 

 一気にしゃべったタイユットは一息入れるために酒を煽った。


 「裁判にも触れず、同胞についても語らないのに、音楽の話が出てくる。なぜだ」


 タイユットの問いにロレンツォはしばし考え込む。


 「単純に考えるのであれば、ユリアは真実を書くのは憚られるので、周辺の話をして匂わせている」

 「暗喩だね」

 「面白いが深読みして結論があらぬ方向に向かう可能性も高いぞ」

 「ああ、文書研究でこの手の匂わせは、諸刃の剣になりかねないからやめてほしいよ。だけど、この一節は重要だと僕は思う。これらの話を総合すると、教会の上層部がアルカディーナを使ってヘシオドス家を助けたのではないだろうか」

 「王都に居住していたであろうマリエンヌと、お上りさん状態のアルカディーナに面識があったとは思えないからな。その線は妥当なところだ」

 「そう、だからこそアルカディーナ言行録には書かれていないのさ。下手に書いてしまうと教会の内部事情が漏れかねない」

 「教会による情報統制か処罰を恐れての事か」

 「可能性は高い。陰謀論めいた話になるかもだけど、これだと綺麗に筋が通る。ただ問題があるとすると、教会側の史料でこの説を裏付けるものが無いんだよね。だけど状況を俯瞰してみると、誰かが仲介をしているとしか思えない展開を繰り広げるんだ。この後も。一番の候補はやはり教会さ。王家の線は無いと思う。この時の王家は明らかに反ヘシオドスだ」

 「ニースのパトローネだったセンプローズ一門はどうなんだ」

 「史料上からは何も出てこない。当時の慣例上、手助けはしていたかもしれないが、主導的立場にいたかどうかは不明だね。僕の中では嫌疑不十分で不起訴と言ったところか」


 タイユットの論にロレンツォは腕組みをする。


 「うーん。確かに面白いな。マリエンヌが死亡した同じ時期に、マリエンヌに酷似した女がニースに現れる。その名はファルディナ。そしてヘシオドス家からの謎の感状か」 

 「さらに付け加えるなら、後年の実績から想定できるファルディナのような人材を輩出できる土地は、当時の王都であったエンデュミオンとその周辺が有力だ。僕は故郷で随分と彼女の書簡に目を通してきた。彼女が書き残してくれなかったら、黎明期のニースの実情はもっとわからなかったよ。僕にとっては女神様みたいな人さ。その頃のニースは今とは違い、小さな漁村に毛が生えたような所だったんだ。そんな所に彼女のような人材が元々住んでいたとは考えにくい。あの時代は特にそうさ」

 「これがオルレアーノであれば、まだ納得できるのだがな」

 「そうだね。修道女になった場所も気にかかる。彼女はメルキアに所縁のある人だったみたいだから、修道女になるにしてもメルキアでなるだろう。それこそトレバン市とかでもいい。どうしてわざわざ遠く離れた片田舎のニースで修道女になったんだ」

 「仮にファルディナがレキテーヌ地方で暮らしていたにしても、洗礼を受けるのであれば中心都市であったオルレアーノで受けるのが妥当か。オルレアーノには司教座教会があるからな。格式的にもファルディナにはそちらの方が相応しい」

 「僕も全くの同意見だ。記録に残っている限りでだけど、ニースで修道女になった第一号がファルディナなんだよ。どう考えても不自然だ」

 「そこはアルカディーナの徳に頼ったのではないか」

 「恐らくはね。ファルディナの洗礼名を名付けたのが、他でもないアルカディーナだ。"アルカディーナ言行録"によれば、彼女が初めて執り行った祭礼とある。僕は彼女たちの間には、なにか特別な繋がりがあるのではないかと思う」

 「こう言いたいんだな。アルカディーナが何らかの方法でマリエンヌを救い出し、ニースに連れてきた。そしてマリエンヌはファルディナとなった」

 「その通り。これを思いついた時は心臓が飛び上がったものさ」

 「いま思ったのだが、マリエンヌの書簡は残っていないのか。いや残っていたらこんな話にはならないな」

 「ああ残念だけど、今の段階では見つかってはいない。残っていたら後は筆跡鑑定で一発さ。ファルディナの書簡はニースの公文書館に溢れているんだから。この仮説を立証できれば、僕も一人前の研究者だ」


 タイユットは目を輝かせ、ロレンツォは酒杯を仰ぐ。しばし二人の間に無言の時が過ぎた。


 「修道女ファルディナはヘシオドス家出身の貴族であったマリエンヌ説か。いや、中々に楽しませてもらった。興味深い議論だったな。お礼と言っては何だが、今晩は俺のおごりって事にしてやるよ。好きに頼め。おーい。お姉さん」

 「おお、わが友、ロレンツォ・フェルディナンド。今夜は飲み明かそうぞ」

 「まぁ、結論としては教授が言ったように、面白い論どまりだがな。お疲れさん」

 「ぐのー」


 タイユットは自棄とばかりに残りの安酒を煽った。



              終わり

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