第15話 便利な超能力
念力が使える、と彼は言った。
「薄い遮蔽物越しのものなら、ちょっとだけ動かせるよ」
「ちょっと?」
「10gくらいのものなら、10センチくらい」
「それ、役に立つの? 立つなら付き合ってあげる」
「よし、見てろ」
そう言って彼は、チューブに残ったワサビを全て外に移動させ、私は彼の恋人になった。
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