EARTH MOON VRMMO ONLINE GAME ~錬金術師テイマーのやりたい放題記~

MIZAWA

第1話 月の民

 2030年地球人は2つの文明に分かれた。

 1つが地球で1つが月である。

 人類は2030年に月へと移住した。基本的に宇宙船の開発に成功した。ゲム社ではこれを機会として世界中に移住プロジェクトを発表した。月そのもののテラフォーミング計画は遥か昔1800年から秘密裡に動いていた。この時代にどうやって月へテラフォーミングをする事が出来たのかは、謎に包まれている。



 全てはゲム社の謎の歴史と呼ばれている。

 ゲム社は月をテラフォーミングすると、地球と同じ青い星にはならず、緑の星になった。

 緑の星になり地下には水があるという不思議な月となったそれは惑星として認定された。



 人口が増え過ぎた人類は沢山の人々を巨大な宇宙船に乗せて月へと移住した。

 これをノアの箱舟作戦と呼ばれた。

 宇宙船にはありとあらゆる作物の種や動物や人間や勿論薬なども準備された。

 もしもの時の為に武器や道具、またはトラクターや戦車や戦闘機など。

 一体どこと戦うつもりだよと乗組員は突っ込んでいたそうだ。



 かくして人々は月に移住する事に成功した。

 その時、一番最初に月に着地したゲムロストという外国人はこう述べている。


【月は我らを受け止めてくれた。まるで月に愛されているかのようだ。この緑の地こそMOONそのものだ】


 一説にはゲムロストという外国人がゲム社の社長ではないかと噂されていたが、その信頼性はどこにも存在しない。



 人々は建物を建てる為に大工職の人々が建築を始めた。

 それから2080年の時に突然地球との交信が途絶えてしまった。

 人々は絶望に暮れた。 

 だがその時人々は自分達で生きて行かねばならないと覚悟し、月は独立国家となったのだ。

 地球のどこの国にも所属しない、月そのもの自体の国と変貌した。


 

 だが変わる事はあまりなかった。

 2100年に人々は何かに飢えていた。

 地球で起こる事件だ。

 月では皆が一致団結して問題を起こす人だっていないし、犯罪だって0件というありえない数値を数10年は続いている。



 ゲム社が次に作ったもの、それは宇宙船でもなければどこかの惑星をテラフォーミングする事ではなかった。


 

 正確にはドクターゲムと呼ばれる老人が作り上げた世界。

 それがEARTH MOON VRMMO ONLINE GAMEと呼ばれる単なるゲームソフトであった。

 しかし2100年にもなってVR技術は全然進歩していなかった。

 しかもこのゲームは地の民と月の民が交流出来る最高のゲームとされる。

 さらに月の民が飢えていた地球の事件と同様このゲームには沢山の事件が発生する。

 


 国を建国する者がいたり、戦争を起こしたりする事が出来たり、何かを作る事に没頭したり、制限はないとされ、人が想像できる全てを注ぎ込んだとされる。驚異的なゲームだったのだ。



 そしてレナートは現在そのVRMMOを起動している。

 この長い説明はレナートが調べてきた情報であった。

 レナートなりにこの世界で何が起きているか調べ尽くした。

 それだけレナートは色々な事に飢えていた。


 彼は沢山の書物を読んだ。

 この世の全ての本ではないが、それでも数1,000冊を超えているだろう。

 世の中には速読で数万冊を読む人がいるだろうけど。

 レナートは1つ1つの本について完璧に調べる。

 例えば核問題の話が出て着たら、核はどうやって作れるか、それはどういう条約で禁止されているか、それは徹底していた。



 レナートは好奇心に旺盛であった。

 心の底から知識を楽しんでいる。

 尊敬する人はゲム社の社員全てと公言している。



 現在レナートは高校1年生であり、3日後には入学式がある。

 高校は通信制にしており1週間1度通えばよいとされている。

 レポートはこのゲーム内で勉強していいとされており、すごくはかどると思っている。

 

 

 レナートは1分1秒をこのゲームに費やしたい。

 

 現在は深夜の23時58分だ。

 0時になるとこのゲームが開始される。

 このアースムーンオンラインにはベータテスターは存在しない。

 つまりこの世界をプレイするのは今からのプレイヤー達という事だ。

 しかも普通のVRではなく特殊なVRであり、体の機能が睡眠を取り、夢を見ているように世界を冒険する事が出来る。



 体の危機的状況には強制的に起こされるし、よく小説であるようなデスゲーム化はしないように製造されている。

 この家には今誰もいない。

 父親と母親は仕事で急がしてく別な家に暮らしている。

 弟と妹がいるが、2人とも遠く離れた場所で暮らしている。

 2人は母型の祖父母が預かっている。



 レナートだけがここに残されている。

 それはなぜなのか? 近くに中学があったからだ。

 そこに通う為だった。そこでは地獄だった。

 虐めの毎日だった。ある時逆に虐めていた。知識が相手をうわまるとレナートは仕返しをするようになった。


 

 賢くなるとはそう言う事なのだ。

 だが言葉での虐め返しをしても、腕力では叶わず、時折殴られたりした。

 それでも両親は見ていなかった。



 そんな事を思いだし、ふと時間を見る23時59分であった。

 そしてタイムが0時になった時。



 レナートはゲームの世界へ飛び込んだ。



 体がゆっくりとベッドに横たわった。

 アラームは朝の9時になっていた。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る