第6話 ワンコ飼いたい ⑥
五月先生とめいとさん、ペットショップに来ています。
ワンコの赤ちゃんたちを眺めています。
抱かせてもらっているお客さんもいます。
即決しちゃう気持ち、わかりますね。
「ふふふ、みんな可愛いです」
「こいつ、白目向いて寝てるぞ」
「前足がピクピクしています」
「ダックスフントか……」
「いませんね、チワワちゃん」
「チワワがご希望ですか?」
「ええ、女の子がいいんです」
「残念ながら、今はチワワはオスもメスもいないんですよ。ご希望でしたら、お探しいたします」
ペットショップには常に全犬種の子犬がいるわけではありません。
物ではないので当然です。
ブリーダーさんのところで生まれて、外に出せるようになったらお店に連れてきます。
「五月様……」
「あ、うん。あのぉ〜、おいくらでしょう?」
「チワワちゃんですか? 二十万から四十万くらいですね」
「……」
五月先生、絶句です。
「お値段は安めで、血統とか、全然こだわらないです。健康で、可愛い女の子探してください」
「はい、承知いたしました。お探ししますね」
めいとさん、もう一つ気掛かりがあるでしょ?
「見つかって、会ってみて、え〜っと……」
「はい?」
「万が一、ピンと来ないというか……気に入らないというか……」
「あ、はい、大丈夫です。ご縁のある子が見つかるまでお探しします」
「チェンジしてもらえるんですか!?」
「ご、五月様、チェンジって……」
「あ、失礼」
「ふふ。では、書類にお名前と連絡先をお願いいたします」
ワンコが見つかった時と、お店に到着したら連絡してもらえるようです。
五月先生、めいとさん、かわいいワンコが見つかるといいですね。
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