将来を約束された学校に入れたのに、無難に過ごすのってダメなんですか?

かさた

1年生 1学期編

学校説明

 未来人材育成高等学校。

 ここは「未来に役立つ人材の育成」を目的とした教育機関である。

 その規模は世界規模であり、様々な国に全く同じような学校がいくつも設立されていた。


 学校そのものが島であり孤島だが、水道やガス、電気などのライフラインは完備されている。

 しかし、そこから日本への交通手段は皆無だ。しかも一度入学すれば寮へ入り、外部との接触は一切取ることができなくなってしまう。



 一見、高校生にとって最悪の環境に見えるかもしれない。


 しかし、カラオケや映画館、ショッピングモールなどの娯楽施設、銀行やコンビニといった様々な施設が敷地内にいくつも存在している。

 さらに島の中で使用する水道、光熱費などは無料であり、その上学校側から月に3万円のお小遣いが支給されるため、生活で困ることなどそうそうない。

 そしてこの学校をすることができれば、希望の就職先に就くことができ、将来が約束されるのだ。


 将来が約束されるとだけあって、この学校の倍率はかなり高く、入学できるのはほんの一握りだけ。

 しかし募集人数の約半分以上は、大手企業の御曹司や御令嬢などが占めており、一般入試で受かる者はごく僅かなのだ。

 きっとこれは、この学校が貴族のための学校であった頃の名残だと思われる。


 「そんなんで「未来に役立つ人材の育成」なんかができるのか?」


 と思うかもしれないが、お偉いさんの御曹司や御令嬢は、小さい頃からかなり厳しいしつけをされていることが多く、優秀な者が多いのだとか。


 まぁそう言われればなんとなく納得はする。



 と、言うわけで。


 かなり長くなったが俺、桜井学さくらいまなぶは、そんな学校で無難に過ごすことを目標にしていた。









 だが、入学式後のホームルーム…。そこから俺の目標は崩れ去ることとなる。

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