第28話 土佐日記(紀貫之 角川ソフィア文庫)

 平安時代の歌人である紀貫之が本職の役所仕事で土佐出張から京都へ戻るまでの旅日記を女性に身分を偽りひらがなで書いた。

 進まない旅路、曲者の船長、折に触れて思い出すは幼くして亡くなった娘のこと。

 時に喜び、苛立ち、悪態をつき、それでも船は進む。(進まないこともある)


 当時の風俗や食文化なども分かるが、何より興味深いのは紀貫之本人も、登場人物も現代において「いるいる」とか「あー、そういうことあるよね」という場面が多いところ。

 

 人は文明が発達しても心はあまり変わらない。

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