第2話 大人の仲間入り
「ねえ、
「そうですね。大人の仲間入りになりましたね」
「だからさあ、大人になるからさ、色々と
「そうですね。選挙権とかの投票券も貰えますし」
そう、最近になって私たちの歳でも政治家に投票出来るようになったんだ。
私の清き一票で政治を変えてみせる!
「……何かさ、それダルいよね。あんな残暑見舞いみたいな葉書じゃなく、お米券や商品券をくれればいいのにさ」
本当、美伊南ちゃんは、たまにとんでもないことを言うよね……。
「──いいや、家族とのコミュニケーションを良くする、肩叩き券とかの方がいいぞ」
そんな私たちの会話をどこから聞いてたのかな?
ストーカーでイケメンな白馬の玉子さまの
「いや、俺、ストーカーじゃないからさ。それからさ、英子、白馬の~台詞の後の漢字間違えてるぞ。正しくは食べ物の玉子じゃなくて人間の王子さまだよな?」
「あっ、ごめんなさい。
「──だろ、ユ○タマゴ先生の漫画は良いだろ」
そこへ、割って入るただならぬ気配を感じた私。
後ろには例の彼が眼鏡を光らせながら、ゆらりと立っていた。
あのオタクの蛭矢君が……。
「まあ、僕としては普通の肩叩き券じゃなくて、好きなギャルゲーヒロインから叩いてもらいたいな」
えっ、それって二次元のキャラクターがゲーム画面から飛び出して来るんだよね?
多分、2D仕様だからペラペラのタオルな体型で肩をペチペチと叩くんだよ。
さすが、ギャルゲーマーの発想。
普通じゃ考えられないよね……。
「そのあんたのそのおかしな頭、一回スイカ割りみたいにパカリと割って中身丸ごと、取り替えたいわよ……」
「おう、僕の高速計算処理チップを見つけて驚くなよ!」
──美伊南ちゃんの発言は怖いもの知らずだよね。
もう、美伊南ちゃんが政治家になったらいいのにね……。
第2話、おしまい。
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