第153話「魔王領・『ノーザの町』合同調査チーム、暗躍する(1)」

 ──数日前。国境付近の森の中で──




「なぜ、誰も戻ってこないのだ!!」


 リカルド皇子は叫んだ。


 作戦開始から数日が経っている。

 その間に皇子は第1部隊と第2部隊を、それぞれソフィア皇女のところと、国境地帯の交易所に送り出した。『例の箱』の情報を得るために。

 だが──


「おかしい。一人も戻ってこないのはおかしいぞ。どうなっているのだ!?」

「落ち着いてください。リカルド殿下」

「お前たちは皇帝一族に仕える調査部隊だろう!? それがこんな失態を──」

「歴代の皇帝陛下は、不測の事態にも落ち着いていらっしゃいました」

「……む」


 調査部隊の隊長の言葉に、皇子リカルドは口ごもる。

 自分が皇帝の命を受けて来たことを、思い出したかのようだった。


 リカルドがこの使命を受けたのは、皇子としての力を見せるためだ。

 帝国は強さを最も重視している。

 だから皇子皇女も、自分がその地位にふさわしいことを示さなければいけない。


 力量を認められれば、地位も上がる。

 しかし、国を背負うだけの『力』がないとされた場合は、廃嫡はいちゃくもあり得る。

 現に、第2皇女だったソフィアは皇位継承権を失い、『不要姫』となっている。帝国では、それが当たり前に行われているのだ。


「だが、力あるものは優遇ゆうぐうされる。悪くない国に生まれたぞ。このリカルドは」

「落ち着かれたようですね。殿下」

「……だからといって、お前たちの無能が許されるわけではないのだぞ」

処罰しょばつは帝都に帰り次第、お受けします」


 調査部隊の隊長は地面に膝をつき、答える。

 その姿を見て気が済んだのか、リカルドは、


「お前の判断を聞かせろ。戻らない者たちは、捕えられたのだと思うか?」

「御意。しかし、我が部下が口を割ることはございません」

「持っていたものが奪われる可能性は?」

「部下に渡してあるのは名簿のみです。あれだけで、我々が誰を探しているのか理解するのは不可能かと」

「『例の箱』を奪った者たちの姿かたちがわからなければ、探しようもないか」


 帝都では、魔獣召喚が行われた砦の兵士たちに対して、尋問じんもんが行われた。

 長時間。何度も繰り返して。


 その結果、行方不明の兵士の名前や容姿がわかった。

 彼らは巨大サソリの魔獣が現れたとき、『例の箱』を奪って逃げた者たちだ。


 情報を公開して、その所在を探すこともできたが、皇帝は極秘の調査を望んでいる。だからこそ、リカルドは調査部隊を率いて、ここに来たのだ。


(『例の箱』の中身は未知数だ。所有者を刺激して、うかつな行動に出られても困る。それではこのリカルドの責任になってしまうからな)


 だが、そろそろ自らが動く頃合いだろう。

 ──リカルド皇子は判断を下す。


「残った者を集めよ。このリカルドみずから、調査を行う」


 リカルド皇子は宣言した。


「兵力を分散せず、全員で例の砦に向かう。魔王領と『不要姫』との接触は避ける。我々は──そうだな。東方の警備に向かう兵士ということにしようか。それがいい」


 帝都を出発する前に、リカルドは国境地帯の資料を読んでいた。

 その中に、新たな軍事施設の建築計画があったのだ。


 場所は砦の東。帝国国境のあたり。

 かつてティリク王国の首都があった場所だ。

 さらに東には小国がある。帝国は南方戦線に続いて、戦線を広げるつもりらしい。リカルドはそこを拠点に、調査を進めることに決める。


「人目を避けるため、我々は森を進む。その後、砦の調査を行い、周辺の町でも調査をするとしよう。もしかしたら、向こうから接触してくるかもしれないからな」


 即座にリカルド皇子は指示を出す。


『例の箱』を持ち去った者の名前と容姿はわかっている。

 国境付近にいるのならば、見つけ出すことができるだろう。


「以上が、今後の計画だ。異論はあるか」

「「「ございません」」」


 調査部隊の者たちが、一斉に頭を下げる。

 残った兵士は十数人。

 彼らは手練てだれだ。十分な戦力になるだろう。


 そうして、彼らは動き出す。

 街道を避けて、移動は夜に。そうして、砦を目指した彼らは──




 森の中で魔獣の群れの気配に気づき、動きを止めることになるのだった。






 ──トール視点──




「ここが『イーアラの町』か」


 俺たちは例の砦の北東にある町にたどりついた。


 城壁に囲まれた町だ。広さは『ノーザの町』と同じくらい。街道沿いにあり、帝国北方の流通拠点のひとつだ。


 ここから東に向かうと、草原と砂漠がある。

 その周辺が、昔、ティリク侯爵領こうしゃくけがあった場所らしい。

 今は小さい町が点在するだけの、辺境領域になっているそうだ。


「このあたりには初めて来たけど、結構大きな町だな」

「いろいろ人たちがいますね……」


 メイベルは興味深そうに、町を見回していた。

 彼女はフード越しに、耳のあたりを押さえている。

 いつものエルフ耳は『部分隠し用ヘアーピース』に隠れている。代わりにあるのは人間のかたちをした耳だ。『部分隠し用ヘアーピース』が変形したもので、メイベルを当たり前のように、人間の町に溶け込ませている。


 時刻は夕方。

 目立たずに進むには、一番いい時間だ。


 地上はうっすらと暗くて、コートを着た俺たちの姿を隠してくれる。

『ノイズキャンセリング』をしてないけど、地味な旅人姿には誰も注目しない。


 このコートは枯れた草の色だから、傍目には安物に見えるし、目立たない。

 でも『ノイズキャンセリング・コート』を起動すれば自分の気配や音を消してくれる。闇属性を利用して真っ黒にすることもできる。


 昼間は普通に服として、夜は『暗躍あんやくモード』に。

 2種類の姿を使いこなせる、とても便利なコートなんだ。

 やっぱりすごいよな。勇者世界の技術って。


 俺たちはドロシーさんの案内で、宿を目指している。

 そこを拠点に情報収集をして、その後の調査方針を決める予定だ。


「本当にこの町に……『例の箱』があるのでしょうか」


 俺の隣で、ソフィア皇女がささやいた。


「あれは危険なものかもしれません。できれば町の外の……安全な場所にあればよいのですが……」

「そうですね。危ないアイテムなら、人気のないところに保管した方がいいですね」


 俺も攻撃用のマジックアイテムは、安全なところで実験するようにしてるからな。

 ソフィア皇女の心配もわかるんだ。


「でも、あの箱は確か『どうやっても開けられたなかった』のですよね?」

「はい。ですが、中身が無生物とは限りません。中に休眠中の魔獣がいて、突然、飛び出す可能性もありましょう」

「……確かに、そうですね」

「そうなったら……私が責任を持って対処しなければいけません。元々あれは、帝国が呼びだしたものでもあるのですから」


 ソフィア皇女は真剣な表情で、そう言った。


「トール・カナンさまのおかげで、私は『光の攻撃魔術』が使えるようになりました。魔獣と戦う覚悟はございます。国境地帯の平穏のためにも……やるべきことは、やるつもりです」

「すごいですね。殿下は」

「そうですか?」

「俺は『例の箱』を開ける方法ばかりを考えていました」


 ルキエに『闇の魔術』を使ってもらって、扉だけ消滅させるとか。

 それでも駄目なら『メテオモドキ』をぶつけてみるとか。

 中身の危険性については、あんまり考えてなかったんだ。


「町の人々の安全を考えている殿下に比べて、お恥ずかしいです」

「トール・カナンさまは、それでよろしいのですよ」


 そう言ってソフィア皇女は、笑った。


「あなたの能力は、人を幸せにするものです。ですから、トール・カナンさまはお心のままに、錬金術師としての力を振るっていただければと思います」

「ありがとうございます。殿下──」

「……トール・カナンさま」

「はい?」

「ここでは、『殿下』とおっしゃらない方がいいかもしれませんよ?」


 唇に指を当てて、じっと俺を見るソフィア皇女。


「誰が聞いているかわかりません。本名も避けた方がよろしいでしょう。私のことは、どうか『ソフィー』とお呼びください」


 一理ある。


 ここは町中だ。小声で話しているとはいえ、誰かに聞かれるかもしれない。

 それはわかるけど……なんでこのタイミングなんだろう?

 ソフィア皇女なら、町に入る前にみんなに注意してもおかしくないのに。


「では、呼んでくださいませ」


 ソフィア皇女は身体を傾けて、フードを俺にくっつける。

 さすがに呼び捨ては無理だから、えっと。


「ソフィーさま?」

「はい。カナンさま」

「俺の方は姓なんですね」

「その方が、正体がばれないかと思いまして。私の方は……姓で呼んでいただくわけにはまいりませんが」


 そりゃそうだ。

『ドルガリア』は国と、皇帝の一族であることを表す言葉だからな。

 呼んだ瞬間に、周囲の人たちみんなが反応しそうだ。


「それじゃメイベルも、俺のことは姓で呼んで」

「は、はいぃっ」


 振り返って声をかけると、メイベルがおどろいたような顔になる。

 というか、意外と距離が近かった。

 さっきまでは、もう少し後ろを歩いてたような気がするんだけど。


「メイベルは俺を呼び捨てにしていいよ。俺たちは同じ村の仲間が旅をしてるって設定だからね」

「は、はい。えっと……カナン、でいいですか?」

「うん。それで」

「あの……カナンさま。私を呼び捨てにしていただくわけには」

「ソフィーさまは無理ですね」


 さっきからレディ・オマワリサン部隊のミサナさんが、こっちを見てる。

 俺たちが皇女と親しくしてるのが気になるんだろうな。


 この上、ソフィーを呼び捨てにしたら『魔王領の者は礼儀知らず』だと思われそうだ。

 ルキエに迷惑をかけないように、ここは『ソフィーさま』にしておこう。


 そんなことを思いながら、俺たちは町を歩いて行く。


 宿の場所は、あらかじめドロシーさんが調べておいてくれてる。

 俺たちはついていくだけでいいんだけど──


「ずいぶんと騒がしい町だね。ここは」

「ですね。このあたりは、帝国の辺境のはずなんですけど……」


 俺の言葉に、メイベルがうなずく。


「流通の拠点なのはわかりますが……人通りがかなり多いですね」

「『ノーザの町』といい勝負だな」


 国境地帯の交易所がお休みだから、こっちに人が流れてきてるのかな。

 でも、兵士っぽい人も多い。近くで魔獣でも出たんだろうか?


「……カナンさま。メイベルさま」


 不意に、ソフィーが声をひそめて、つぶやいた。


「お伝えします。これはアイザックさまからの情報なので、秘密にしていただきたいのですが──」


 その声が、徐々に小さくなっていく。

 唇は動いてるけど、声は聞こえない。『ノイズキャンセリング』を起動したのか。

 それほど重大な話なのかな。


 俺はソフィーに頭を近づける。

 このコートはフードをくっつければ、『ノイズキャンセリング』状態でも話ができるようになってるからだ。

 俺も『ノイズキャンセリング』を起動して、ソフィーとフードをくっつければ──


「……あら? つまずいてしまいました」


 不意に、ソフィーの身体がバランスを崩した。

 そのまま俺の方に倒れ込んできて──


「大丈夫ですか? ソフィーさま」


 ──すっ、と前に出てきたメイベルが、ソフィーの身体を受け止めた。


「……ありがとうございます。メイベルさま」

「人通りが多いですからね。足元には注意してください」

「申し訳ありません…………私もつい、浮かれてしまったようです」


 照れたように頬を押さえるソフィー。

 そういえば、彼女が普通に町中を歩くなんて初めてだもんな。

 元々病弱だったわけだし、転びそうになってもしょうがないよな。


「それで、内緒のお話というのは?」

「はい。実は、この町のさらに東で、新たな軍事拠点の建設が始まっているのです」


 ソフィア皇女は『ノイズキャンセリング』しながら、ささやいた。


「東にはいくつかの小国がございます。そちらを警戒しているのか、あるいは──」

「帝国が新たな軍事行動の準備を始めているとか、ですか?」

「……はい」


 新たな軍事拠点か。まぁ、魔王領相手じゃなさそうだからいいけど。

 でも……帝国はここ数年、南方で長期の戦争を戦ってるんだよな。

 戦う相手を増やしてどうするんだろう。


「この『イーアラの町』がにぎわってるのは、その軍事拠点が関係してるんですね」

「建設には多くの者が関わっています。その者たちを相手に商売をする者もいるでしょう」

「わかります。ただ、ここまで混雑してると、人捜しは難しそうですけどね……」


 俺たちが探しているのは『ダリル・ザンノー』という人物と、その仲間だ。

 わかっているのは名前と、髪の色と、身長くらい。

 あとは『嫌な感じの魔力だった』というのが、その人物を見た羽妖精の感想だ。


「魔力なら、ルネが感じ取ってみせましょう」

「ソレーユもがんばるのよ」


 俺とソフィーのフードの中で、羽妖精のルネとソレーユが笑った。

 ソフィーもつられたように笑ってる。

 その顔を見ていたら……俺は大事なことを思い出した。


「ソフィーさま。忘れないうちに、これを渡しておきます」


 俺は『超小型簡易倉庫』から、一本の瓶を取り出した。

 もちろん、コートの裾で手元を隠しながら。

 通行人は俺たちを見てないとは思うけど、念のため。


「お願いされてた化粧水です。リクエスト通り原液ですけど……今回だけですよ?」

「ありがとうございます。カナンさま!」

「……使い方には注意してくださいね」

「わかっております。無駄使いはいたしません」

「はい。そうならないように、ふたににちょっとした工夫をしてありますから」

「そういえば……蓋の部分に奇妙なものがついておりますね。小さな筒のような……?」

「遠い別の国の技術を応用したものです。宿に着いたら説明しますよ」

「はい。ご指導を、よろしくお願いいたします」


 そう言ってソフィーは、笑った。


 なんだか、不思議な感じがした。

 ソフィーは皇帝の娘で、帝都にいたころはまったく縁のない人だったのに。

 こうして並んで歩いてると、一緒にいるのが当たり前のような気がしてくる。

 ほんとに、不思議な人だ。


「間もなく宿に着きます」


 隊列の先頭で、ドロシーさんが言った。


「その後、わたくしとエルテさまが酒場に行き、情報収集をいたしますわ。その結果を元に、作戦を決めることといたしましょう」

「「「わかりました」」」


 俺とメイベルとソフィーはうなずく。


「殿下──いえ、ソフィーさまとカナンさま、メイベルさまは、部屋で休んでいてくださいませ。ミサナが護衛をいたします。それから、カナンさまは──」

「わかってます。羽妖精にお願いして、護衛部隊と連絡を取るんですね」

「お願いいたしますわ」


 俺はうなずいて、ルネの頭をなでた。

 アグニスが率いる護衛部隊は、町の近くの森で待機している。

 彼女たちには、俺たちが無事に町に着いたことを伝えなきゃいけないからね。


「それでは、わたくしが部屋の手配をしてきますわ」

「私も同行させていただきます」


 宿に着くと、ドロシーさんとエルテさんが受付に向かって歩き出す。

 そして、しばらくして戻って来た二人は──


「……申し訳ありません。今は……4人用の部屋しか空いていないそうですわ」

「……夜には1人部屋がふたつ、空くそうなのですけれど」


 ──申し訳なさそうな顔で、そんなことを言った。


「困りましたわ。下見に来た者たちの話では、ここが最も治安のいい地域とのことだったのです。一般の旅人を装うにも、このレベルの宿がふさわしいと。ですので、拠点にするには、ここが良いと思ったのですけれど……」


 ドロシーさんは小声で、説明を続ける。


「ですが、他に第2、第3候補の宿もありますわ。少し時間をいただければ、そちらが空いているかどうか、確かめてまいります。どういたしましょうか?」


 ドロシーさんは、ソフィーの方を見た。


 4人部屋ということは、俺とメイベルとソフィーと、護衛のミサナさんが同じ部屋になる。


 俺は別に構わない。メイベルもたぶん、気にしないと思う。

 でも、ソフィーや『レディ・オマワリサン部隊』の人はどうだろう。

 さすがに俺と一緒の部屋になるのは抵抗があると思うんだけど。


「カナンさまやメイベルさまと一緒のお部屋で構いません」


 と、思ったら、ソフィーは宣言した。

 迷いなく。きっぱりと。


「私たちは大切な役目を果たすために来ております。部屋割りなどという、細かいことにこだわっている場合ではありません」

「……しかし、ソフィーさま」

「時間は有限です。使命を果たすには、優先順位をつけなければなりません。ならば、重要な事項から片付けていくべきでしょう。今、大切なのは情報を収集することです。その他はささいなことです」

「は、はい。ですが……」

「それに、私たちは同じ村の者が旅をしている……という設定になっております。仲の良い村人であれば、部屋がないときは男女同室になることもあるでしょう。部屋割りのことでもめていては、村人という設定に疑心を招くことになるのではないでしょうか」

「しょ、承知いたしました。ソフィーさまの、お心のままに」


 たたみかけるようなソフィーのセリフに、ドロシーさんはうなずく。

 ドロシーさんも部下のミサナさんも、エルテさんも感動した表情だった。


 優先順位。

 同じ村からやってきた旅人という設定。

 すべてを計算に入れた、見事な意見だったからだ。


 ソフィーはこれだけの知恵と判断力を持ってる。

 なのにどうして、帝国は彼女から、皇位継承権を奪ったんだろう。

 人材を見る目が曇りまくってるんじゃないかな。まったく。


「カナンさまはどのようにお考えですか?」


 不意に、エルテさんが聞いた。

 俺は少し考えてから、


「ソフィーさまがいいなら、俺は別に構いません。それに、夜になれば1人部屋が空くんですよね?」

「そうですね。カナンさまには、そちらに移動していただくことになります」

「ですよね……」


『簡易倉庫』が使えれば、俺だけその中で休めるんだけどな。

 でもなぁ。

 ソフィーはともかく、『レディ・オマワリサン部隊』のドロシーさんやミサナさんの前で、あんまり『簡易倉庫』を使いまくるのはどうかと思う。

 打ち合わせもしたいし、少しの間なら大部屋でもいいだろう。


 俺はそんなことを、エルテさんに耳打ちした。


「──承知いたしました。では、メイベルさま」

「はい。エルテさま」

「カナンさまの護衛を、よろしくお願いいたします」

「承知しました!」


 メイベルが拳を握りしめて、ぐっ、と気合いを入れる。


 そうして宿の手続きが終わり、俺とメイベル、ソフィーと『レディ・オマワリサン部隊』のミサナさんは部屋へ。

 ドロシーさんとエルテさんは宿を出て、情報収集に向かったのだった。



──────────────────


 次回、第154話は、明日か明後日くらいに更新の予定です。



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