第17話 なんとか乗り越えた件
大量のお弁当は皆で食べて、なんとか消費することが出来た。
「ラインさま 美味しかったです☆」
「あっ!ラインさまじゃなくってヤナっちのお弁当だった。ヤナっち、御馳走様♪」
「ラインさま 撮影会は明日でヨロ~☆」
ラインさま好きの女子達はいなごの大群のように去っていった。
「ヤナっち・・・面白いな。今まで出会ったことのない人達だ。ところで姫ちゃん ラインさまって何かな?」
眼鏡をキュッと上げて柳良太は真白を見つめて来る。
説明が限りなく面倒な真白はまたしても言葉に詰まる。
「まあ 良いよ。後で説明してね。今日はもう帰らないといけないから。」
席を立つ柳良太を真白は慌てて追いかける。
「良太先生は忙しくて学校に来れないのだろう。自宅もここから遠い。私の事は心配しなくても大丈夫だから、囲碁を頑張って欲しい。」
「もちろん囲碁は頑張るよ。でも姫ちゃんの事は心配する。」
恥ずかしげもなく好意を伝えられた真白が照れる。少し間を置いて思いつたように柳良太は言った。
「あれ?僕も母さんに似ているのかな?」
おののく真白に優しい目を向けた後、憮然とした3人に振り向いた。
「お・と・も・だ・ち の君達、忙しい僕に代わって真白のお世話を頼むよ。」
逆上しそうになる3人を加藤小鉄が押さえている中、柳良太は母親と学校を後にした。
放課後の帰り道、怒りが収まらない二階堂紳一郎言う。
「プロ棋士かなんか知らないけど、偉そうで嫌な奴だったな。もう二度と来ないで欲しい。」
「オレからして見たら紳ちゃんもアイツさほど変わんないけど、一緒に居た時間の長さにはちょっと嫉妬しちゃうな。姫ちゃんって何よ。オレは今の真白ちゃんしか知らないからね。姫ちゃん。」
小早川旬はウィンクしながら真白の反応を見る。
姫ちゃんという昔の愛称に恥ずかしさを覚える真白は話をそらす。
「和多屋睦月君は今日はいないんだな。」
いつもは学校の帰り道の公園までは一緒に下校している和多屋睦月が今日はいない。
「和多屋は5時限目に早退したよ。体調が悪いって。顔色悪かった。」
同じクラスの二階堂紳一郎が少し心配げに言う。
「そういえば、うちの委員長も5時限目に何か慌てて早退していったな。」
小早川旬がそういいながらスマホのLINEを開きメッセージを打ち込む。
-むっつぅ 大丈夫なん?-
暫く待ったが、既読はつかなかった。
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