第49話 サーモスタッド

東京中央国際空港関税局間接対応水際班対策本部緊急事業事務局統括検閲官補佐の鮭 好き避け子課長補佐は激務をこなしていた。



「補佐! あの男の後ろに映っている女の目の奥の温度が異常に高すぎます」

部下のサーモスタッド専属注視係が助言する。


「そうだな 普通は青か緑なはずが オレンジいや、赤色になっている」


携帯電話で統括検閲官の同意を求める暇はなかった。


「おい あの女を引き留めろ」


「補佐 わかりました」


「すみません ちょっとお茶しませんか?」

 あまりにも軽い引き留め方だった。


「いいですわよ」


「よし あとは私が尋問する」補佐はネクタイをきつく締め直す。


「お名前は?」


「U F ?」


「最後のスペルが聞きとれませんでした ワンスモア」


「あん ふぉーちゅなてぃー #$”!’」


課長補佐も部下も正体をつかめなかった。




しばらく引き留めている間に、統括検閲官が登場する。


「あのーーーー ピンクですね」


その女は中和されその場で即時消滅した。


「消滅時効で処理して桶」


現場を数百万回こなしている統括官の勘は絶妙で瞬殺する色の配色を知っている。


UN Pりーばぶる!


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