第43話 「Can't buy me love」
「お金がないと生活ができないじゃん。子供の教育費は?家のローンは?老後の暮らしはどうするの…私泣きたくなるわ」
「でも絶対ぼくはお金じゃ替えないよ」
「その言い訳は何? じゃ 仕事辞めて、いったいどうやって生活していくの?」
「だから、ぼくは替えないよ」
「さっきから、堂々巡りの会話になってるけど、自分の考えを変える話?それとも両替の話?」
「違うよ。6の話」
「ハッ 何それ。馬鹿にしてるの?」
「ぼくの6を替えるって話」
「馬鹿じゃないの。6を何に替えるの?」
「ぼくのラッキーナンバー6を替えれば、一生不自由しないってこと」
「頭逝かれたの?どういう意味か最初から説明して」
「1、2、3、4、5、6」
「だから、何、喧嘩売ってるの?」
「やっと出た。なんぼ売ってても買わないよ。お金じゃ替えないから。」
「何なら買えるの?」
「6と君とを替える」
そう言った途端、6と妻は両替された。
妻の顔は6分割され、ぼくの元に戻された。
「両替終了です。顔種はこれで良かったでしょうか?」
「顔は問題じゃない。妻の心を6分割して6分の5の金への執着心を捨ててくれ。」
「はい、承りました。再両替いたします」
ガチャガチャ ウィーン。
「お待たせいたしました」
「ねぇ あなた。私の顔はどう?」
「ろくでもねぇ」
彼女は捨てたはずの6分の5を補充するため、ぼくの体を5分割してショートケーキにして食べてしまった。彼女の生命力は凄まじかった。残った欲は食欲のみだった。
「そうね。次はあそこの通りを優雅に歩いているサラリーマンの4段腹を4分の3カット割り。最高ね。六つ切りがいいかしら。あと、私好みの愛や魂もちりばめて練ったケーキも最高…金箔はいらないわ!ハッハッハ」
彼女は遂に究極化し、金が無くとも武者ムシャ喰っていけるようになっていた。NEVER×2 CRY BY FOR NOW 4 倍 暗い ネバネバ
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