第19話 あいさつ
あいつ、すれ違いざまに、あいさつしてくるよな。
「……です」
「です」
「おつ………です」
「こう……です」
いつも、噛み合わない。
「おつかれです」
「おつ」
噛み合った。
「コレ、行くか?」
「いいですね!」
俺は部下に社交辞令を教え飲み会スルーしたが、結局、部下は自宅まで付いて来た。
女房に詫びのあいさつをする。
「5めんね」
「いいわ4」
女房はラーメンサラダをササッと作り、つまみで出してくれた。
「あっ、もう、こんな時間か」
「部長、夜はこれからですよ」
翌日、部下からの御礼のあいさつなどは一切なく、沈黙の中ラインで、社長から降格の辞令が出た。
帰ったらなんと女房にあいさつしよう。
「ただ……」
「今、ご飯できたところよ。さあ」
「食べ」
「瑠華、雨」
「のち晴れね」
明日は明日の風が
「服、コレでいいかし」
「ラ、ラ、ランド」
「セル」忘れるなよ!
我が家はあいさつという名の会話が絶えない。
「愛よ!」粋な娘だとつくずく思う。
「PA」×2 ≦「大好き」≧ 「MA」×2
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます