宇宙日記
ムゥ
乱丁データ1
そういえば、時間的に地球は無くなっているらしい。
それもいつ知ったことだったか。何万年?いや数億年前だっただろうか。
故郷が消えたことは、それはもちろんそれなりには思うところがあったわけだが、それなり程度なのだから自分はドライな人間なのだと思う。
それよりも、今はただ目の前のシミュレーターのボタンを押すことだ。押し続けることだ。そろそろボタンのスプリングを交換しなければならない。
千回に一度の割合でボタンが引っかかる。
この手記を・・・・・いや、気取っているな。この日記とも日誌ともつかぬものを読む者などいないのだが、暇を潰せるものがないのだから自分で書くしかない。これも百年後に読み返せば多少の暇つぶしにもなるだろう。
たった今、数千年後まで紙が持たなかったことを思い出して、デジタル化しておこうと思い立ち、「あ、そうだ」と言おうとしたところで声が出なくなっていることに気が付いた。ここに他の人間はいないが、シミュレーションが完成した時に困る。発声練習を始めよう。
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