第60話

 遊園地に行った。


「遊園地なんて久しぶり」


「僕も。遊園地なんて、大学生ぶりだよ」


「だよね。というか、今日よく1日、体開けれたね。医者って忙しいイメージある」


「医者も人間だからね。休みくらい取らせてもらわないとやってけない。柚と会いたかったっていうのもあるけど」


「予定あけてくれてありがと」


「こちらこそ」


遊園地は、とても混んでいた。


高校生、大学生、カップルが多い。


きらびやかな音楽が流れ、物語の中のような建物が並んでいる。


不思議とワクワクうきうきな気分になる。


夢の中の世界のようだ。


「ジェットコースター乗ろ」


「えー、わたし、苦手。乗ったことない」


「えー! まじか! 目つむってやってみよ」


「うん。がんばってみよっかな」


順番がくる。絶叫系は苦手。やだな。でも晴人となら……

ドキドキする。あー、逃げ出したい。


横を見ると晴人は平気な顔してる。


もー。


「大丈夫? 無理にいいよ」


「や、がんばってみる。手、繋いでいい?」


「もちろん」


乗ってからは、意外にすぐ時間が経った。


目つむってたけど、たまに開けてまたつむって。




今日は絶叫系記念日になった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る