第30話 

「ゆずさん! 炊き出しあるみたいだよ! 豚汁!」


「え! 食べたい!」


「じゃ、いこ」


 炊き出しコーナーに行くと数人並んでいた。数人だったので、すぐに私の番になった。大きな鍋の中にたくさんの豚汁が入っている。美味しそう。


食べてみると人参、じゃがいも、豚肉、玉ねぎ、大根、豆腐、サツマイモが入っていた。


具沢山の豚汁だ。美味しい。野菜に汁が染み込んでる。


「お! 食べてるね」


「坂井先生! どうしてここに!?」


「今ちょうど休憩中なんだ」


「坂井先生も豚汁いただいてきたんですね」


「僕ね、豚汁大好きなんだよね。ここの祭りの豚汁いつも野菜たっぷりだから、なお好き。一緒に食べてもいいですか?」


「もちろん! どうぞ」


 改めてみると、坂井先生って、やっぱりイケメンだな。笑うときのくしゃっとする笑顔。人生、モテてきたんだろうな。


坂井先生が座ると、私たちの周りには人が集まりだした。坂井先生を一目見ようとファンたちが寄ってきた。さすが坂井先生。驚異の力。


まるで、小学生のときにいた人気者の先生の机の周りみたい。


小学生のとき、大好きな先生の机の周りにへばりついていたな。


「あと、20分くらいでコンサート始まるみたいだから、豚汁食べたらコンサート見ません?」


「コンサートあるんですね。見たいです。坂井先生はどうしますか?」


「休憩時間終わるまで見ようかな」


「やった! じゃあ、決まりですね!」


 豚汁のおかげで、体が暑くなった。栄養も取れて、体に良いものが吸収された感じ。美味しかった。私たちは隣の部屋のコンサート会場は向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る