第15話 

 仕事が終わり、アパートについた。


今日も営業疲れた。


すぐに、シャワーを浴び、コンビニで買ってきたお弁当を食べた。


ゲームでもするか。


スマホゲームで最近はまっているゲームがある。


はまった理由、ゲームをしてる最中、何も考えなくて済むから。


いつものようにゲームをしてると、


「ピンポーン」


部屋のベルが鳴る。


誰だろ。宅配便かな。


はぁいと言ってドアを開けると


そこには、




原田が立っていた。




え、住所教えてないのに。


なんで。


恐怖で体が凍りついた。


「きちゃった」


咄嗟に悲鳴をあげてしまった。


原田は、ニヤニヤして不適な笑みを浮かべている。


玄関のドアを閉めようとすると、ドアを手で押さえてきた。


「待ってよ。せっかくきたんだから話でもしようよ」


原田は優しい声のトーンで話してくる。でも、力は弱めない。


「話することないです」


突然の出来事に声もあまり出ない私。私らしくない。


「どうしたの。急に。あんなに優しかったのに」


「……」


私の玄関は、顔が確認できないインターホンだ。そして、ドアチェーンをかけずに、ドアを開けてしまった。


ドアを開ける力が強い。


逆らえない。


原田が玄関に入ってくる。


「ちょっ、家はやめてください」


「じゃあ、話してよ」


無理やり、ドアを閉めた。


「ねー、開けてよー」


怖い。こういうとき、どうすればいいんだろ。誰かに連絡する?

心に? 

いや、心を巻き込ませたくない。


鍵を閉めて、玄関を離れた。


ドアをガンガンする音と、何かを言ってる声が聞こえる。


本当に怖いことがあるとき、人は硬直することを実感した。


心臓がドキドキする。怯えてる自分がいる。


1時間くらい経ったところで、音は消えた。


帰ったか。


明日の朝、出るの怖いな。


そう思った。


寝ようとしたけどなかなか寝付けなかった。


警察に相談?


でも、大事にしたくないしな。


ネットで調べると、ストーカー相談室で、24時間対応があるみたい。


とりあえず、今日は寝よう。

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