第51話 で、どういうことなの?

 でも、どういうことなの?


 ミーシャの卵、ミーシャがいた時からあったよね?



 ——あのとき。って、レイアは聞いてるよね? あたしが魔界でノワ逃したいきさつ。


 うん。勇者さまが来て説明してくれたとき……、って、ミーシャわかるの?


 ——あたし、ずっとレイアの中に居たからね。流石にちょっと弱ってて、復活するのに随分時間がかかっちゃったけど。


 ぜんぶ? 聞こえて、た? わたしの心も?


 ——ごめん。ぜんぶ聞こえてた。


 うきゃー。流石に恥ずかしい。わたしの気持ちぜんぶ聞こえてたってこと!?


 ——うん。ごめんね。


 あうあうあう。


 まあ。でも。



 わたしもミーシャのキオクみんな見えちゃってたし、おあいこ?


 ——そう思ってくれると嬉しい。


 まあ。ならしょうがないか。で? どうして?


 ——うん。魔界でね。敵の魔力波を浴びたとき、ちょっと元のミーシャの身体が持たなくてさ。


 ——その時はマナのレイヤーで身体覆ってたけど、そんなのも剥がれちゃって。


 ——ああ、死ぬのかなあたし、って思ったところで、強制的に心のインナースペースを肉体から切り離して転移したの。


 え?


 そんなことできるの?


 ——なんかね? 出来ちゃった?


 でもそれがどうしてわたしの中に?


 ——転移した時に、上手く位相を計算できなくて。他の世界に行きかけちゃって。慌ててこの世界のあたしの一番の拠り所をって探して転移したら、ちょうどレイアが生まれる所でね。


 えー?


 ——時空間転移で時間軸がちょっとずれたっぽくて。おまけにあたしが転移出来た先がレイアのインナースペースの中だったってはなしなの。


 もう、正直ついていけない。


 よくわからない話で。


 ねえ、それって転生とどう違うの? わたしはミーシャの生まれ変わり、なの?


 ——レイアはレイアかな。あたしはあたし。ただ、レイアの心の中に今のあたしがいるってだけで。


 ——今まで転生したときとはあきらかに違うのは、あたしの心は今回死んでないってこと?


 今までは死んだの? ちゃんと?


 ——そー。そこが違うの。



 もう、心が死ぬってよくわかんないといえばよくわかんない。


 幽霊との違いもよくわかんないし。



 ——幽霊扱いはひどいよー。あたし、ちゃんとこれでも生きてるもん。心だけだけど!



 ふふ。まあ、いっか。


 ミーシャがいるだけで、わたしは嬉しいよ。




 ——うん。あたしも嬉しいよ! レイアと一緒で!

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