第6話 ねこはいいよね。
人生長く生きてると、あ〜あ。ねこはいいな。ねこにうまれかわったら幸せそうだな。
そんな事考えたことあるはず。
でも普通、ほんとにねこになっちゃったら、絶対人間に戻りたくなるに決まってる、って、そう思うよね?
あたしも昔はそう思ってたんじゃないかな。きっと。
でも。
今こうしてねこで暮らしてると、ああこんな暮らしも悪くない。このまままったりしていたい。
そう思っちゃってる。
前世が嫌だったか? ともし聞かれたとしたら、そんなことはないよ? と答えるだろう。
別に人間が嫌いになったとか嫌になったとかそういう訳でもないの。
確かに前世は大変すぎた。
幼い頃から聖女だなんだとかしずかれ、両親ともまともに人間らしい交流はなかった。
思春期の頃には王国警備隊に随伴し魔物退治の日々を送り、まともに学生生活とかも送ることが出来ず。
魔王の侵略が本格的になった時には年下勇者の教育係に選ばれそして。
ああ。こうしてちょっと思い出してもろくな人生じゃなかったな。
まともに友人もいない恋もできないそんな人生。
たぶん。
今のこの猫生はそんな前世の人生に疲れたあたしのために神様が与えてくれた休養期間なのかもしれないな。
もしかしたら、次、の来たるべき時のため。
今はまったり過ごしていいよと。
幸せにもふもふしてていいよ、と。
そんな、ご褒美期間なのかも。
☆☆☆
レイアの胸の上でうとうとしていた筈のあたしは、気がついたらおかあさんと一緒にいつもの寝床に寝てた。
お家の人に運ばれたのかな?
レイア、どうしたかな……。
身体の傷は治したけど、心的外傷は癒せない。
痛い思いした事、怖い思いした事が心の傷になってなければいいけどな。
まあ。なんにしても。
レイアを救えて良かった。
あたしがチカラを使ったこともこの調子ならばれてなさそうだし。良かった。
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