第135話『ヘルム島のイメージ』
かの世界この世界:135
『ヘルム島のイメージ』タングリス
例えばこれなのです。
ヘルムの頭上に郵便ポストほどの大きさの懐中電灯が現れた。
「懐中電灯というのは、機能別に表現すると、こうなります」
懐中電灯は、三つに分かれた。
ボディー 電球 電池
「ほかにスイッチや配線やレンズ等がありますが、それをボディーに含めると、この三つです」
ボディーと電球と電池は、いったん元の懐中電灯に戻ってから、また三つに分離した。小学生に説明するように分かりやすく、こういう授業めいたことが苦手なわたしでもよく分かる。
「ボディーにあたるものがヘルムの島です」
ボディーの下にヘルム島のイメージCGが現れた。
「電球がわたしです」
分かりやすく神という文字が現れた。
「そして、電池が女の子です」
電池が女の子の姿になった。
もう一度、三つのものが合体し、懐中電灯が点滅し、やがて、電球の輝きが弱くなって消えてしまった。
「電池が切れました……切れた電池は廃棄されて、新しい電池が入れられます」
懐中電灯のお尻の蓋が開いて、電池が入れ替えられる。電池は別の女の子の姿をしている。
これって……?
「そう、生贄の少女たちは、この電池なのです。だが、誤解しないでください。神は電球のエネルギーを少女の姿でお遣わしになるのです。電池は十七年かかって島の人たちに愛しまれることによってフル充電されます。そして、いま入れ替えようとされている電池が……」
またも電池が入れ替わって、ユーリアの姿になった。
しかし、電球は、一度灯ったきりで消えてしまった。
「……お分かりになったでしょうか」
姫が、感に打たれたように立ち上がると、かすれた声でおっしゃった。
「それって、電球に寿命がきたってことだよね」
「はい、灯りが灯らない懐中電灯に存在理由はありません」
「それって……懐中電灯を辞めてしまうと言うことなんだよね」
「はい、ですので、電池はお返ししますね」
エメラルドの上のヘルム神の姿がダブったかと思うと、一つがハッキリとユーリアの姿になって我々の前に降り立った……。
☆ ステータス
HP:20000 MP:300 属性:テル=剣士 ケイト=弓兵・ヒーラー
持ち物:ポーション・300 マップ:12 金の針:60 福袋 所持金:450000ギル(リポ払い残高0ギル)
装備:剣士の装備レベル55(トールソード) 弓兵の装備レベル55(トールボウ)
技: ブリュンヒルデ(ツイントルネード) ケイト(カイナティックアロー) テル(マジックサイト)
白魔法: ケイト(ケアルラ) 空蝉の術
オーバードライブ: ブロンズスプラッシュ(テル) ブロンズヒール(ケイト) 思念爆弾
☆ 主な登場人物
―― かの世界 ――
テル(寺井光子) 二年生 今度の世界では小早川照姫
ケイト(小山内健人) 今度の世界の小早川照姫の幼なじみ 異世界のペギーにケイトに変えられる
ブリュンヒルデ 無辺街道でいっしょになった主神オーディンの娘の姫騎士
タングリス トール元帥の副官 タングニョーストと共にラーテの搭乗員 ブリの世話係
タングニョースト トール元帥の副官 タングリスと共にラーテの搭乗員 ノルデン鉄橋で辺境警備隊に転属
ロキ ヴァイゼンハオスの孤児
ポチ ロキたちが飼っていたシリンダーの幼体 82回目に1/6サイズの人形に擬態
―― この世界 ――
二宮冴子 二年生 不幸な事故で光子に殺される 回避しようとすれば光子の命が無い
中臣美空 三年生 セミロングで『かの世部』部長
志村時美 三年生 ポニテの『かの世部』副部長
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