第43話 大森林開拓記 2

「まずは拠点づくりですね」


 頭を動かすのはジュディのほうが得意ということで、俺は彼女の仰せに従って魔法を使う。

 時間はたっぷりあるし、魔法書もいくつか持ってきてあるから、そう酷い失敗はしないだろう。


「この辺一帯平らにしてください」

「お前の胸と同じくらい?」

「あなたの人気度直線と同じくらいでお願いします」


 底辺を横這いと。

 まったく、舌戦じゃ敵う気がしない。


切断カット


 風魔法の刃を地面すれすれに這わせ、平坦な地面を造り出す。


「じゃあこの辺に魔王城を」

「無理だ」


 あの大きさのものを、一人で造れるわけがなかろう。


「それなら何か建物を」

転移テレポート

 まず、転がる木々を遠くに寄せておいてから、

建築ビルド

 土で建築物を造り出す。


 イメージは、小さい頃に行った別荘だ。


「ところで、魔法名ってどういう仕組みなんですか? 予想通りなのとそうじゃないのがあるんですが」

「魔法名は、使うやつが適当に当ててるな。同じ魔法でも、俺とラファエルでは魔法名が違う、なんてのもありえる」

「魔法って案外適当なんですね。だからあなたでも使えるんですか」

「詠唱と魔法陣は厳格だからな?」

「けどカンニングしてるじゃないですか」


 返す言葉もないです。

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