言葉とコンテンツ
下記記事を読んで。
●『鬼滅の刃』も…ドイツ在住ライターが「日本アニメ、すごいのに残念」と言う理由
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72763?page=5
日本アニメは海外でも評価が高いが、しかし「なんちゃって外国語」や「海外の文化では受け入れられない表現」が散見されるのが残念だ、と筆者。
確かに、マンガでもアニメでも小説でも、そのへんのお店やプロジェクトやマンションなんかでも、普段なじみのない言葉からテキトーに単語を引っ張ってきて作ったようなネーミングは多数みられます。分かる人が見たら「文法違う」「意味から間違えている」と思うような英語やフランス語やイタリア語やスペイン語、その他もろもろも多数あるのでしょう。
もっとも、日本語だって海外で同じように使われているのですが(ドイツでたまたま見た持ち帰り寿司店の名前が『タベタイ』だったのは可愛いと思った)、文化的なNGに抵触する表現はよりマズいということになります。上記記事によれば、かの「鬼滅の刃」でもイスラム教のNGワードがあって放映できなかった回があるとのことですし、同作の韓国での放映にあたり、主人公の耳飾りのデザインを変えたとの話も聞いたことがあります。あと、国によっては「ONE PIECE」のタバコが全部チュッパチャップスみたいなアメ玉にさしかえになっていたり、「ドラえもん」のしずかちゃんの入浴シーンが放映できないなんてのも。
そういった点で、海外の文化や受け取られ方にも配慮したうえでの作品作りが必要、という記事の主旨に異論はまったくないのですが……、しかし、しかし! ひとつだけ言いたいことがあります。
上記の記事にて、作中の英語の扱いが大変丁寧で、海外へのリスペクトが感じられる……と評価が高い作品、「名探偵コナン」。
英語が堪能な人を声優に起用、すばらしいです。
英語のセリフだけネイティブスピーカーに差し替える、大変結構なことです。
しかし、そこまでやる制作陣が、
……関西弁はまったくリスペクトしている様子がないのは、なぜですかい??
うちの夫(関西人)、「気持ち悪い関西弁しゃべらすな」って言ってますよ。てか関西住まい数年程度の私でさえ気味悪いと思うセリフまわしもありました。
日本のコンテンツが世界中で楽しまれるものになっている以上、海外の標準はもちろん気にすべきです。
だけど、基本的に作品を視聴するのは国内の人なのです。そこまで英語に気を使うのなら、日本国内の言葉にももうちょい意識を向けましょうよーと思います。
もちろん私たちも、方言を話す人物を書くときは注意しないといけないってことになりますが……私、あちこち移動するうちに生まれ育った地元の言葉すらあいまいになってしまっているなあ、と、今気づきました。
もったいないことしたかも。
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