第12話 双子と戦いの幅

こんにちは、トラウです。

祝福から三年、八歳になりました。順調に成長している。妹も四歳になった。二歳になったころには歩けるようになり、時々僕の後ろにトテトテとついてくるのだ。かわいいったらありゃしない。しかも、魔法の訓練をしていたり、素振りしていたりすると、

「あにうえー、なにしてるのー。」

と聞いてくるのだ。なんともまあ、舌足らずな感じがかわいい。

そして朗報、そんな妹も、二人のお姉ちゃんになりました。去年、僕に妹と弟が生まれた。まだ喋らないが、純粋無垢な人もがかわいいのだ。指を出すとその小さな手で握ってくるのもかわいい。時にはぺろぺろなめていると思ったら、急に噛まれることもあるが、それでもかわいいものはかわいい。前世で一人っ子だったので知らなかったが、赤子とはこんなにもかわいいものなのかと、妹二人と弟によって気づかされた。

もちろんこの三年間、ずっと妹や弟を愛でていたわけじゃない。先生によるスパルタトレーニングは続行していたし、創造魔法をはじめとするまほうもじょうたつした。生産系のスキルもかなり熟練してきたといえるだろう。

錬成術なんかは、魔力操作がうまくなったことによって、遠隔でも使えるようになったし、かなり細かい造形もできるようになったため、戦闘に錬成を活用することもできるようになった。戦い方の幅が広がるのはとても便利である。

戦い方といえば、最近剣に魔法を纏わせて戦う方法を教えてもらった。魔術刃というらしい。なんでも、攻撃力が高くなったり、物理耐性を持つ敵にも有効になる便利な手段らしい。ただ、近接戦闘用にわざわざ剣を持ち歩くのも面倒なので、近接戦用の魔法を開発することにした。創造魔法で剣を作ることも考えたが、剣のサイズの物を作り出すとなると、どうしても魔力がたくさん必要になる。しかも、特撮じゃないんだから、剣を作り終わるまで相手が待ってくれるわけじゃない。故に、杖そのもので近接戦をする手段を開発したのである。その名も魔術剣。魔法剣にしたかったのだが、魔法が付与された剣のことを魔法剣と呼ぶらしいので、渋々変えたのである。名前の由来は安直で、其の名の通り、魔術(魔法)でできた剣だからだ。

本来なら、剣を使った攻撃は、STRのステータスに応じてダメージボーナスが付くとされているが、これならINTに応じてダメージボーナスが付く。もちろん、全知の書庫からの情報なので信頼できると思う。

そういえば、ステータスはこんな感じになった。


名前:トラウ・フォン・フラメル 年齢:8 性別:男


job:大賢者 Lv:8 加護:創造神


HP:120(+45)

MP:4981(+1363)

魔法属性:水、氷 、無 個人属性:創造


STR:89(+36)

DEF:90(+34)

INT:1121(+209)

RES:321(+110)

DEX:483(+183)

AGI:96(+37)


スキル:全知の書庫アカシックレコード 鑑定 錬金術 錬成術 付与術 魔力回復速度増加 言語理解 魔力感知 魔力操作 魔力纏 魔力操身 礼儀作法 魔闘技(new) 精密射撃(new) 跳弾(new) 剣術(new)


こんな感じで順調に育っている。

剣術は剣技などに補正が入る。基本中の基本のスキル。貴族ならだれでも持っている。

魔闘技は、先生から教えてもらったスキル。全身強化ができる割に消費魔力が少ない、かなりコスパのいい魔法だ。魔力纏より効果は落ちるが、普段使いには重宝する。

精密射撃は、銃型の杖に合わせて弾丸のような魔法を打ち出す魔法(バレットと名付けた氷魔法)を開発し、ロングレンジから狙い撃っていたらできたスキル。名前の通り、細かくねらって狙い撃つ行為に補正をかけてくれる。最近はスナイパーライフル型の高威力、精密射撃特化の杖を開発中。スコープも試作している。この世界、ガラス製品の発展が乏しく、双眼鏡も無かったので、開発し、父上に見せてみたら、とても驚いていた。

跳弾も、その名の通り銃弾を跳ね返らせて狙い撃つスキル。対人戦において、かなりの初見殺し性能を誇る。国内最高峰の戦士である先生すら反応できなかったほどだ。しかも、初見でなくとも、弾道を読み切るのは不可能といってもいい。今のところ、5回まで反射させて対象に当てることができる。このまま練習したら乱反射させての攪乱などもできるだろう。

こんな感じで、先頭の幅の広がりがすごい感じだ。先生には器用貧乏にならないように気を付けるように言われた。

そういえば、創造魔法で直接ミスリルを作れるようになったのと、金を作れるようになった。まあ、お金にするのは少し憚られる。後、金からオリハルコンを作れるようになった。ミスリルよりも魔力を流しやすいので、銃?杖?に使っているミスリルもオリハルコンに置き換えた。まだまだ量産はできないが、魔道具を作るには十分な量なので、魔道具作成も頑張っていきたい。

そんなことを言っていたら、先生に聞かれた。という事でさらに修業が厳しくなった。なんでも、オリハルコンを生み出せるのはやばすぎるとのこと。最近はやっと十回に一回ぐらい先生から一本取れるようになったのだが、修行の余波で屋敷の一部が壊れたことがあり、その時は本当に焦った。先生と僕が二人そろって父上に叱られたのだが、母上には褒められた。才能ばっちりね!と。とんでもなくうれしそうな顔をしていたのを覚えている。あと学園では、魔物と戦う訓練などもあるらしい。魔物も強さはピンキリ。イレギュラーに対応できるように、強いに越したことはない。これからもどんどん頑張って強くなりたいと思ったものだ。

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