第7話 神様の話とステータス開示
『お久しぶりですね、日野奏多さん。いや、今はトラウさんですか。』
こんにちは、トラウです。ただいま絶賛困惑中です。神様から話しかけられるとかきいてないんですけどぉ?!
『そりゃそうでしょう。神がわざわざ全ての信徒の元に訪れるわけないじゃないですか。貴方は特別なんですよ。だから貴方の魂をこちらの世界に呼んだのです。』
え?今僕また魂だけなの?
『ええ、そうですよ。因みにこちらの世界で、いくら時間を過ごしてもあちらでは1秒も経過しませんので御安心ください。』
はぁ、それは良かった。ってならないよね、普通。安心できるかよ。今はそんなこと考えても仕方ない。じゃあ、なんで僕は呼ばれたんですか?
『もちろん決まってます。暇つぶしに…』
あぁ?
『ひぃっ、ごめんなさい。嘘吐きました。本当は貴方に今回の祝福の事について話があったからなんです。』
神様ってこんな性格だったか?まぁいいや。で?話というのは?
『はい、実は今貴方がステータスを見れていることは異常なんです。』
そりゃ知ってますよ。本来ステータスって5歳で祝福受けてからじゃないと見れないらしいし。神様が先に見せてくれたんじゃないの?
『いいえ、実は私の手違いなんです。そのせいでこのまま祝福を与えると、いずれ貴方が神格化してしまう可能性があるんです。』
は?神格化?神になるってことでしょ?なんでそうなるの?そんな簡単に起きていい事じゃないでしょ。
『そりゃそうですよ。簡単には起きません。説明すると、長くなるんですが、ステータスってのは神の力の一部を貸している状態です。それが育って、ステータスを持つ人が死んだ時に、成長した分と一緒に神の力になって我々神に返ってきます。そういう仕組みなんですが、普通の人が神の力を持ちすぎると神になっちゃう事があるんです。普通は起こりえないんですが、貴方は転生時の特典で、普通の人より多くの神の力を持っています。それに、祝福の分が加わると、限界ラインに到達しちゃうんです。』
へぇー。そんな仕組みになってたんだね。で、僕はどうすればいい訳?
『なので、今回の祝福は無しになります。代わりと言ってはなんですが、魔法の適性を通常より少し伸ばすということで手を打ってくれませんか?所謂、個人属性ってやつをあげます。それぐらいなら、大丈夫なはずです。』
ふむ。僕は別にいいよ。魔法は興味があるし。
『ありがとうございます。それでは引き続き2度目の人生を楽しんでください。』
そんな事を言われると、目の前が真っ白になった。すると、周囲から喧騒が聞こえるようになる。
「はい、お疲れ様でした。無事に祝福は授けられました。髪に感謝し、良き人生を歩んでください。」
と、神父から声をかけられた。
ステータスを確認してみる。
名前:トラウ・フォン・フラメル 年齢:5 性別:男
job:大賢者 Lv:5 加護:創造神
HP:91
MP:3618
魔法属性:水、氷 、無 個人属性:創造
STR:51
DEF:56
INT:866
RES:84
DEX:199
AGI:59
スキル:
となっていた。
水魔法は水を生成したり、操作したり、そんな魔法。氷は水が凍っただけの水魔法。無属性は身体に魔力を作用させて回復力を高めたり、力を強くしたりする魔法、あとは魔力を固めて盾に出来る魔法なんかもある、サポート型の魔法だ。個人属性の創造というのが気になる。なので、全知の書庫で調べてみることにする。
創造魔法…その名の通り、創造を司る魔法。物質や、現象を創り出す事ができる。努力と魔力次第でなんでも創造できるので、極めれば世界を支配できると言っても過言ではない。
おぉーう。ここに来てさらにやばそうだ。世界を支配って、する気ないけども。でも、これは生産系と相性は最高だろう。レアな素材何かも作れちゃうわけだし、これは生産が捗るってもんだ。
さて、祝福?も終わったことだし、家に帰ることにする。帰りもやっぱり馬車なので目立つことこの上ない。うちに帰ったあと、どの魔法を練習しようか考えていると、眠くなってきた。家に着くまで少々時間があるので、馬車に揺られながら一眠りするとしよう。
♢
馬車が大きく揺れて止まった。ふと目を覚まし、外を見ると家に着いたようだった。まずすべき事は、親たちへの報告だろうと思い、使用人の1人に家族の居場所を聞くと、全員食堂に居るようだった。今は大体六刻半、昼の1時頃だ。僕が帰ってくるまで昼食を待っててくれたらしい。早速食堂の方へ向かう。
「トラウ、ただいま帰りました。」
「おかえりトラウ。どうだった?良いjobや、スキルは貰えたか?」
と父上が聞いてきた。
「はい、今ステータスを開示したいと思うのですがいいですか?」
と聞くと、
「もちろんだとも。早く見せてくれ。」
と答えてくれたので、早速ステータスを開示する。
しばらくステータスを眺めてから、父上は
「jobは大賢者か!とっても良いjobだな。しかもステータスもすごく高いし、スキルも既に色々あるな!トラウはきっと大物になるぞ!」
と言った。母上は、
「でも、いくら強いからと言っても貴方はまだ子供なのよ。私たち両親はいつでも貴方の味方なんだから、困ったらすぐに相談してね。」
と言ってくれた。母の腕の中にいる妹は、
「う?にーにすごい?」
などと言っている。可愛い。娘を嫁に出したくない父親の気持ちがわかった気がする。僕の場合は妹だが。でも、精神年齢的には僕も20歳を超えている。だから娘みたいなもんだろう。妹を嫁にしたくば、私を倒してみろ!などと言ってみたい。
「まあ、食事が冷めてしまいますので、食べ始めましょう。」
僕が切り出してみんなで団欒しながら、食事をすることになった。
♢
そんなこんなで食事が終わった。すると父が、
「そういえばトラウ、家庭教師はどうする?実はこちらで既に手配できる用意は整っているのだが。」
と言ったので、
「是非よろしくお願いします。」
と答える。
「そうか、それは良かった。剣も魔術も国内で十指に入るのでは無いかという元騎士団最強の剣士にお願いしてあるのだ。実は私の学校時代の友人でな。正義感に溢れる熱い男なんだが、如何せん周りと相性が悪くてな。騎士団でも疎まれて追い出されたのだ。ただ、剣の腕は確かだぞ。魔術も上手いしな。」
と言っていた。今からでもその家庭教師に会うのが楽しみだ。
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