第101話 私への手紙

『私へ。

昨日の夜、カバーを付け替えた文庫本はどこへやりましたか?鞄に入っていません。

枕元ですか?でも、昨夜はあれから眠るところでしたよね。

お返事お待ちしています。なるべく早くね。

かしこ。』

 散々探した鞄の底から、見知らぬカバーの本が出てきた。栞には、ごめんね、との走り書き。

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