レイチェル・バルド

【博識で美しい、我らがお嬢様】


観察対象:レイチェル・バルド

観察者:リーフ・カインツ


 レイチェルお嬢様については、やはり使用人の私が書き留めておきましょう。

 お嬢様は私やマリーの主人で、この国有数の上流貴族バルド家の長女でいらっしゃいます。


 お母様譲りの艶やかな長い黒髪、ルビーをはめ込んだような赤い瞳が特徴的です。ドレスも黒や赤などの色味で、シックなものを好んでいますね。


 幼少期から聡明で、読書が趣味。愛読書は小難しい理論が詰まった緑の表紙の本――私にはさっぱり内容が理解できませんでした。カスミソウの栞がお気に入りだそうです。

 外国の珍しい食べ物や庶民の食べ物に興味があって、私が作るお菓子もよく食べてくださいます。知的好奇心が強いのでしょうね。


 あることをきっかけに世間からのような扱いを受け、屋敷でも孤立していますが、本当はとてもお優しい方なのです。誤解のないようにお願いいたしますね。

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