私の人生で、3人目に恋した相手は女の子でした

杏音-an-

プロローグ



 私の人生での初恋は、ほんの少し遅めの小学4年生。隣の席で仲良くなった、「俊くん」。


 人生で2人目に好きになった人は、中学2年生。

 同じ美術部の一つ年上の先輩の「賢人先輩」。

 私が初めて付き合った人。



 そして三人目は…

 きっと高校1年生。



 私の人生の中で女の子を好きになったのは、貴方だけ。



 貴方は、きっと知らないよね。


「あ、桜の花びら」



頭上で咲く桜の花びらが風になびかれて、ヒラヒラと舞い落ちていた。


 まだ春先で、ほんの少し少し冷たい風が、わたしの髪の隙間を通っていく。


 貴女と出会った頃も春なのにまだ少し冷たい風が通っていたね。



 私もね。この気持ちに気付くのが遅すぎたみたい。



 ね、唯菜。





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