16話目・魔王と私
「…四天王を倒し、ここまでたどり着くとはな!我こそは魔王、魔王ベゼルなり!」
水牛の角を生やした魔王が玉座を立ち上がり、こちらを睨む。
「…おまえ、その装備はなんだ?」
ユキナの明らかに初期装備っぽい革鎧を見て魔王は何とも言えない顔をしている。
「ちょっと急いできたから、まぁ恰好は気にしないでいいから。とりあえず話を聞いてくれる?」
ユキナは魔王に対して、怯えるでもなくフランクに話しかける。
…え?。こいつなんなの?。
魔王は目の前に立つ勇者(?)の少女をなんとなく調べてみる。
─────System───────
ユキナ
Lv.2 鍵師
Exp:15
スキル:
───────────────
…は?。Lv.2?。それも鍵師???
魔王は理解が追い付かない。
Lv2で魔王城にきて、四天王倒してここまで来るとかおかしいだろう?。
他にも仲間がいるかと思ったけどそんなわけでもない。
そして最大の謎が、『魔王城を包む魔法壁が3枚消えてない』。
可能性として、この魔王の目の前まで魔法壁なども壊さずに転移してきたとする(まぁ普通に考えて無理なんだけど)。
だがそれだと少しおかしなことがある。
自分の方で四天王死亡は把握しているのだ。扉の封印も4か所解かれている。
つまり、このLv2の、それも戦闘職ですらない鍵師が、間違いなく四天王を倒して目の前にいるのだ。
魔王は混乱している。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます